富士山はどうして、こんなに高いの?

富士山はどうして、こんなに高いの?

スーちゃん お正月になると、テレビや年賀はがきに富士山が出てくるよね。富士山は日本一高い山で、すそ野が広がっていて、きれいな円すい形をしているよね。どうしてこんなに大きな山ができたのかな。

同じ場所で噴火を繰り返したからだよ

森羅万象博士より 富士山の高さは3776メートルで、すそ野は東西におよそ39キロメートル、南北に約37キロメートルある。すそ野を面積にするとだいたい1200平方キロメートルで、沖縄本島と同じくらいになる。

高い山ができる原因は大きく2つある。まず、大陸などの陸地がぶつかる場合だ。陸地が長い年月をかけて少しずつ移動していることは知っているよね。大陸や島、そして海底もプレートと呼ばれる厚さ100キロメートルほどの巨大な板状の岩の上に乗っている。

プレートが移動して陸地同士がぶつかると、横方向から大きな力が加わる。そして陸地に大きなしわが寄るような感じで押し上げられた部分が山になるというわけだ。

こうしてできたのが世界一高い山エベレストがあるヒマラヤ山脈だ。欧州のアルプス山脈も同じ仕組みでできた。国内では、日本の屋根といわれる飛騨(ひだ)山脈、木曽(きそ)山脈、赤石山脈からなる日本アルプスがある。日本アルプスには、2番目に高い山の北岳(3193メートル)がそびえているよ。

山ができるもうひとつの理由が火山の活動だ。噴火(ふんか)によって地表にふき出した溶岩や噴石、火山灰が積み重なって高い山ができる。富士山は約10万年にわたって大きな噴火を繰り返して今のような姿になったんだ。

富士山はまず先小御岳(せんこみたけ)という山ができ、その後に小御岳(こみたけ)と愛鷹山(あしたかやま)ができた。10万年くらい前に、この2つの火山の間に古富士(こふじ)という今の富士山のもとになる新しい火山ができた。

この火山は非常に活発で、大きな山に成長して小御岳をおおった。さらに火山活動を続け、愛鷹山のふもとまですそ野が広がって今のような形になった。だから富士山は4つの火山が積み重なった「4階建て」の構造といわれる。

富士山が円すいに近い形をしているのは、溶岩のねばり気が比較的小さくて流れ落ちやすかったからだ。2014年に噴火した御嶽(おんたけ)山(3067メートル)は富士山の次に高い火山だけど、溶岩のねばり気が高かったから山の表面がごつごつしているよ。

でもどうしてこんなに長い間、ほぼ同じ場所で火山活動が続いてきたのかな。さっきプレートの話をしたけど、富士山の火山活動にもプレートの動きが深く関係している。富士山の地下では、ユーラシアプレートと北米プレート、フィリピン海プレートという3つのプレートが交差している。プレートが接してしずみこむ場所ではマグマができやすく、火山活動も活発になりやすい。

それだけでなく、富士山の真下あたりではフィリピン海プレートが東西に分かれて大きなさけ目ができているという見方があるんだ。このすき間を埋めるように地下で発生したマグマがのぼってくる。富士山の地下深くでは、こうしたことが起きているから、火山活動が長く続く。それが積み重なって今の大きな富士山ができたのではないかと考えられているんだ。

■静かだけど、生きている火山

博士からひとこと 富士山は今は静かになっているけど、奈良時代から平安時代は数十年おきに噴火(ふんか)していた。例えば奈良時代の864年に起きた貞観(じょうがん)の大噴火では大量の溶岩が流れ出し、大きな湖の大半が埋まってしまった。残った湖が今の精進湖(しょうじこ)や西湖(さいこ)だ。このとき溶岩におおわれた場所が今は青木ケ原の樹海になっているんだ。
江戸時代の1707年には宝永(ほうえい)の大噴火が起きた。江戸の町に火山灰が降り、今の神奈川県まで軽石が飛んできた。その後は目立った噴火は起きていないけど、1950年代までは蒸気やガスが吹き出す噴気活動が続いていた。富士山は今も生きている火山なんだ。

(取材協力 高橋正樹・日本大学教授)

[日経プラスワン2016年1月9日付]