本気で続けるダイエット 食事や運動、スマホが味方
専門家がメニュー作成も
東急スポーツオアシス(東京・港)に勤める竹尾賢二さん(38)は米Noom(ヌーム、ニューヨーク市)が提供するアプリ「Noomコーチ」を活用している。今年5月から使い始めたところ、半年間で7キロの減量に成功した。「シンプルで使いやすいのが魅力」と話す。
Noomコーチは「長期的に生活習慣を改善し、減量を促す」というコンセプトで開発された。最初に減量目標などを入力し、日々の食事や運動の内容、体重などを記録すると、個々に合ったダイエット方法を教えてもらえる。簡単に無理なく使い続けられるのが特徴だ。
カロリー自動計算
食事内容を11万件のメニューの中から選ぶとアプリが自動でカロリーを計算。食品1グラム当たりのカロリー量を基に、摂取した食品のヘルシーさを判定、痩せやすい食生活に導く。運動データはiOSの「ヘルスキット」など、スマホの健康管理機能と連携し記録できる。
東急スポーツオアシスはタブレットなどを使って、ヨガやストレッチなどの動画を見られる「WEBGYM」というサービスを提供している。竹尾さんはこの企画にもNoomコーチを採用。12人の女性が1カ月半、アプリで食生活を管理しながら運動に取り組んだところ、平均で体重が1キロ、体脂肪率が約4%減少したという。
料金はiOS版が月額1200円、アンドロイド版が同990円。複数月分を申し込むと割引が受けられる。一部機能は無料だ。
従業員の健康に配慮して経営する健康経営に注目が集まる中、企業向けサービスも登場した。その1つが京セラと日本予防医学協会(東京・江東)が提供する「デイリーサポート」だ(月額600円)。
衣服に取り付けたクリップ状のウエアラブル端末(別売り、7000円)が、歩数や消費カロリー、歩いているのか、走っているのかなどを検知する。記録はスマホに無線で転送される。
食事の写真をスマホで撮れば自動的にカロリーを計算。枕元にスマホを置けば、睡眠中の体の動きなどを検知し、眠りの質を判定する。スマホでおなか周りをなぞるだけで、内臓脂肪面積を推定する機能もある。
データはグラフ化され、生活習慣の変化や傾向がわかる。データをもとに健康保険組合の保健師などがアプリ上で生活習慣改善のアドバイスを送る。
補助食品を提供
現在、内田洋行など数社にサービスを提供。来春からは契約企業の社員だけでなく、家族も利用できるようにするという。
徹底的に減量に取り組みたいが、スポーツジムに通う暇はない。そんな人にはFiNC(東京・中央)の「FiNCダイエット家庭教師」がおすすめだ。
自宅で遺伝子検査を実施し、アプリ上で生活習慣に関するアンケートに答えると栄養士などの専門家が体質を分析する。食事を撮影してアプリで投稿すると専門家が食事法をアドバイス。自宅でもできる運動メニューを作成する。トレーニング方法は動画で解説する。
体質に合わせた栄養補助食品なども提供する。時間があるなら全国の提携スポーツジムも使え、様々な方法で減量をサポートするのが特徴だ。
利用期間は60日間。料金は19万8000円(税別)と高額だが、「期間後も活用できる知識や経験が得られる」(FiNC)。来年1月末までに申し込むと料金が5万円割引になるキャンペーンを実施中だ。
どれも生活習慣から見直し、健康的な減量に取り組めるアプリだ。新年から心機一転、スマホを使ったダイエットに取り組んでみてはいかがだろうか。
(電子編集部 高尾泰朗)
[日本経済新聞夕刊2015年12月17日付]
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