ホームパーティーの季節到来 食卓をオシャレに大変身

これからの季節、家族や友人が集まって食事をする機会も増える。外食もいいが、ときには自宅の食卓を特別な空間に変身させてみてはどうだろう。テーブルコーディネートの極意は使う色数や飾り物の大小の差。飾りも新たに買わなくても、身の回りの物で気軽に手作りできるという。プロの技を学んでみよう。

色は3つまで 統一感を

「雑誌に出てくるようなおしゃれな食卓に憧れる。でも、どこから手をつければいいものか分からない」と漏らすのは、都内に住む37歳の主婦。ホームパーティーなどの集まりも多いこの時期、似たような悩みを抱えている人も多いはず。非日常を演出するコツはどこにあるのだろう。

大人向けのシックな飾り付けをする山本さん=写真 塩田信義

食卓を飾りつける基本はテーブルクロス、皿やナイフ、フォーク類、そして卓上に置く小物やアクセサリー類の3つ。「中でもコーディネートの鍵となるのは小物やアクセサリー類」と話すのは、食空間プロデューサーの山本侑貴子さん。今の季節ならキャンドルや松ぼっくり、ツリー用のオーナメントなどを卓上に散らすとクリスマスらしさをグッと演出できる。

小物などの並べ方にはポイントがある。「高低差や大小などのリズムをつけることで動きが出てくる」と山本さん。全体を見渡しながら、同じ大きさのものが並ばないように気をつけよう。テーブルに立体感が出れば華やかさが増す。

食器は白い大小2枚の皿を重ねるだけで十分おもてなしの雰囲気が出るという。皿自体に模様や色がある場合は、小物など他のアレンジを控えめに。それぞれが主張しすぎると統一感がなくなるので、何を主役にするか決め、それ以外はそぎ落とそう。

クリスマスの飾り付け=写真 塩田信義

「ファッションと同じく、大切なのは足し算よりも引き算」(山本さん)。卓上の色は白・黒・グレーなど無彩色を除き、多くて3色までに。クリスマスカラーといわれるのは赤・緑・白。白の代わりにベージュの麻生地を真ん中に敷くテーブルランナーに使用すると自然な印象になる。じかにテーブルランナーを敷くより、無彩色の布を下に敷くとランナーが映える。

小物の色もベージュと同系色の金色の飾りや茶色の松ぼっくりなどだと全体がまとまる。そこに葉ものや実ものの緑色を添える。ベージュとグリーンのシックなコーディネートなら大人っぽくスタイリッシュな印象に。さらに赤色のオーナメントなどを加えれば華やかに仕上がる。

ただ、赤の面積が多くなると子どもっぽくなりがち。小さな子どもも集まる家族向けなのか、大人の女性同士の会なのか、もてなす対象によって何色使うのか決めても良さそうだ。

文具・金だわしも活用

雑誌やショールームで気に入ったコーディネートを見つけたらまねてみよう。全て採り入れるのは大変。「1アイテムだけでもかなり印象が変わる。わざわざ買わなくても、家にある物を使って手作りできる」と話すのは、テーブルコーディネート教室をレストランなどで開く間崎友子さん。

例えば文具。単語帳などのカードホルダーも、リボンや木の実で飾ればナプキンを束ねるナプキンリングに早変わり。花瓶の代わりに、ペットボトルの上部を切れば、子どもが倒しても割れない花瓶になる。金色の金だわしに花を挿し込んだり、大きめの落ち葉に金や銀のスプレーを吹き付けたり。子どもと一緒に準備をするのも楽しそうだ。

「100円ショップやホームセンターはアイデアの宝庫」(間崎さん)。何かに応用できるかも、との目で見れば、普段の買い物も「宝探し」になる。食卓を中心に、季節感を演出し、暮らしを楽しむ余裕も生まれそうだ。

(松原礼奈)

[日経プラスワン2015年11月21日付]