目のクマ 「青」は血流改善、「茶」はメークで対応

学生時代から10年以上、記者の目の下に居座っているクマ。疲れているようにも、老けているようにも見えてしまうため長年の悩みだった。アイクリームを塗ってみたり、温かいおしぼりを目の上に乗せてみたりしても改善したようには見えない。なんとか薄くできないものか。

「働く女性でクマに悩む人は本当に多い」。アオハルクリニック(東京・港)の小柳衣吏子院長は言う。男性でもそうだが、大きな原因がパソコンの使いすぎや疲労によって血行が悪くなる「うっ血」という。目の周りの皮膚はかなり薄く、血流が悪いとそのまま目の下に表れてしまう。青色や紫色っぽいため「青クマ」と呼ばれる。

■パソコン疲れ一因 伸びや目薬が有効

スッピンの記者の顔を見てもらったら「青クマ、ちょっとありますね」。思い当たるのはパソコンだ。首や肩は普段からコチコチ。とはいえパソコンなしで仕事するのは無理……とこぼすと、小柳さんが血流を改善するストレッチを教えてくれた。両手を上に伸ばして首の後ろで交差させ、手のひらを合わせる。肩周りの筋肉が伸びて気持ちが良い。マッサージや、目薬もいいそうだ。

皮膚の乾燥も避けたい。時々ぬらしたタオルを温めて目の上に乗せていたがNGだった。かえって乾燥につながるためだ。スマートフォン(スマホ)の見過ぎもうっ血のもとだ。

クマにはもう一つ色素沈着による「茶クマ」もあるという。紫外線や外からの刺激でメラニン色素が増えるのが原因だ。青クマよりも茶色っぽく見える。化粧品をぐりぐり塗り込んだり、目の周りをごしごし洗ったりするのはご法度。いわれてみればクマをカバーしようとコンシーラーをたたき込んでいた。目をこする癖もある。目の周りはとにかく優しく触れることだ。

クマがひどいと思い込んでいたが「目の下にホクロやシミがあるために暗く見える」とも指摘された。顔の彫りが深いために影ができているだけ、という場合もある。「疲れたように見えなければ気にすることはない」という。

年を取ると、男性でもクマが気になり始める。目の周囲は筋力が弱まり脂肪分が落ちてたるむとクマに見えることも。きれいに治すには美容整形などが必要だそうだ。女性は頭蓋骨の骨量減少にも注意しよう。「目のくぼみが下に広がるのもクマをひどく見せる要因になる」

パソコンとスマホを使いすぎず、適度な睡眠と運動を心がけ、ストレッチで血行を改善する。目をこすらず、紫外線を避け、骨にも注意。喫煙とお酒の飲み過ぎもダメ。

とりあえず深酒はやめようと誓ったその日。友人との飲み会で羽目を外し、寝て起きたら目は腫れぼったく、クマも……。出だしからつまずいたが、以後は仕事の間にストレッチをし、目薬を差した。なるべく歩き、夜更かしはせず、自炊を増やし、それなりに健やかな日々を過ごした。

約3週間後。今度は資生堂リサーチセンター新横浜に向かった。ライフサイエンス研究センターの舛田勇二主幹研究員に、研究用の機器で血流や肌の色を測定してもらう。血流の状態を示すヘモグロビン酸素飽和度は50%を超えればOK。記者は約54%で、青クマは一応ないようだ。茶クマはどうか。同社の調査ではクマのある人は「1平方ミリメートル当たりのメラニン量が19.5ナノグラム」を超えていた。記者は19.62ナノグラム。茶クマはある。

「青クマは若い世代に多く、年をとるにつれ茶クマの人が増える」と舛田さん。「色素沈着はそれ以上悪化させないこと。美白成分の入った化粧品を使って薄くさせることや、紫外線対策、保湿が大事」とのこと。茶クマを本格的に薄くするには時間がかかる。半面、青クマは「長年の蓄積というより今の状態が出ているだけ」なので、十分な睡眠や運動などを心がければ比較的早く改善できる。

■メークは範囲狭く 暖色で境界ぼかす

資生堂のメーキャップアーティスト、鈴木節子さんに化粧でのカバー法を教わった。クマを隠すコンシーラーを使うときは、クマにだけピンポイントで乗せるのがコツ。「クマ以外の肌にコンシーラーがつくと、色の差が埋まらずカバーできない」からだ。指よりブラシや綿棒などを用いる方が細かく塗れる。

コンシーラーを乗せたらその境界の部分を自然にぼかす。道具で少量ずつ重ねていき、全体のバランスを見ながら仕上げる。「細かいところは手間を惜しまないこと。仕上がりも持ちもよくなる」

色味は黄色やオレンジの入ったものだとカバーしやすい。しっかりカバーしたいならスティック型、リキッドタイプは自然な仕上がりになる。乾燥肌の人はリキッドの方がお勧め。実際に鈴木さんにメークしてもらったら、仕上がりは一目瞭然。クマのない自分の目にウキウキする。クマ一つ、いや、二つないだけで気持ちが明るくなった。

スマホはなるべく高い位置で操作
仕事の合間にできるストレッチで気分もリフレッシュ

記者のつぶやき
■ストレス禁物、長い目で
教わったクマ改善法で気に入ったのが血流を改善するストレッチ。気持ちがよく癖になるほどだ。スマホは首を曲げてのぞき込むと血流が悪くなるので、目の高さで見るようにした。資生堂の舛田さんによると、クマに悩む人が増えたのは2000年ごろから。パソコンや携帯電話が本格的に普及した時期と重なる。「現代人のストレスは昔の比ではない」(舛田さん)
しぶとい茶クマ対策として、日中の屋外ではサングラスをかけている。美白成分のビタミンCが入った美容液も使い始めた。規則正しい生活と丁寧なお手入れ、長期戦になりそうだけれど続けられるかしら。
(関優子)

[日経プラスワン2015年11月21日付]

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