脱「スマホ中毒」 アプリで時間管理、ロック機能も

ベッドで目覚めたときや電車やバスの待ち時間など、ちょっとした空き時間にスマートフォン(スマホ)に手が伸びる人は少なくないだろう。スマホは確かに便利だが、過度に使いすぎれば生活に悪影響をもたらしかねない面もある。「スマホ中毒」と呼ぶ状態から脱し、節度ある使い方をするには利用を記録したり、使用時間を制限したりするアプリが役に立つ。

「スマホを使いすぎている気がしていたので、利用時間を把握したいと思って使い始めた」と話すのは、神奈川県在住の大学生、豊島有香さん(21)。豊島さんが利用しているアプリがニフティの「スマチュウ」だ。

■「休みませんか」

1時間が経過したころに「そろそろ休みませんか」とメッセージを出す機能もあるため「スマホの使いすぎに注意するようになった」(豊島さん)。都内在住で大学生の及川雄太さん(21)も「スマチュウを使うことで、自分が思っているよりたくさんスマホを使っていることがわかった。前日の使用時間を超えると通知が来るため、利用の目安になる」と話す。

スマホの利用時間を測るアプリ「スマチュウ」

「スマチュウはスマホの使いすぎで後ろめたさを感じている大学生や若い社会人に向けて開発した」と、ニフティWEBサービス事業部WEBサービス開発部の丸本祐衣さんは説明する。

丸本さんもまだ入社2年目の若者世代。大学生のころから、周囲のスマホの使い方に違和感を感じていた。例えば、会話の内容がスマホゲームの話題ばかりという学生も多かった。自分でも、友達と話しながらスマホが気になっていじってしまうことがあった。

ダイエットをするには体重計が必要となるように、スマホ中毒の解消にも「使いすぎを意識するための指標があったほうがいい」と、丸本さんは話す。スマチュウは1日の合計時間だけでなく、何時頃に何分間利用したのかという記録も残すことが可能だ。スマホを利用した場所も参照できる。これらの記録を見て振り返ることで「帰宅する時の電車の中での利用が多い」といった自己分析ができるのも特徴だ。

子供がスマホにのめり込んでしまう悩みを持つ親に向けたアプリが、ヨシタデザインプランニング(石川県金沢市)の「タイマーロック」だ。例えば、夜は学校に備えてしっかり睡眠を取ってほしいという場合は、アプリ上で夜の10時から朝の7時まではロックをかける。ロックをかけた時間は電話以外のアプリが使えない状態となる。

このアプリを開発したヨシタデザインプランニングの葭田護代表も中学生と高校生の息子を持つ。スマホを買い与えると「夜にゲームやLINEを始めると歯止めがかからない。勉強するときはする、寝るときは寝ると規則正しい使い方をしてほしかった」と葭田氏は開発の経緯を語る。

親が子供に使わせることを想定したアプリだが、自主的に使っている学生も多い。利用者の半数はスマホ利用を自制するために使っているという。

■木を育てて癖直す

仕事や勉強に集中しなければいけないのに、スマホに手が伸びるのが癖になってしまったという人には、フォレストアップが提供する「Forest(フォレスト)」がおすすめだ。集中したい時間の長さを指定し、タイマーをスタートする。

タイマーが終了するまでスマホに触れなければ、画面上で木が育つ。我慢できずにスマホをいじってしまうと画面の木は枯れてしまう。木を繰り返し育てると、画面上には多数の木が並び、今日はこれだけ集中できたといった達成感が得られる仕組みだ。

限られた時間を有意義に活用するには様々な手段があるが、まずはスマホの使い方を見直してみてはいかがだろうか。

(電子編集部 松元英樹)

[日本経済新聞夕刊2015年11月5日付]

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