おいしい日本酒、飲んだらスマホにメモしよう5段階で評価、ラベルから情報検索

夏が過ぎ、いよいよ食べ物がおいしい季節になってきた。サンマやマツタケ、栗ご飯など秋の味覚に合う酒といえば、日本酒もその一つだ。ただ、日本酒は種類が多く、どれを選ぶか迷ってしまう人もいるだろう。スマートフォン(スマホ)の日本酒アプリを活用すれば、自分好みの一本が見つかるかもしれない。

■「乾杯」ボタンで交流

飲んだ日本酒の記録を残せるアプリ「日本酒ノートーSakenote」

「飲んだお酒を記録することで、時間がたっても思い出せるようになり、こういうタイプのお酒が好きだと分かるようになりました」。横浜市で働く会社員の吉田直義さん(48)は「日本酒ノート-Sakenote」を使っている。

行きつけの店は店主が厳選したこだわりの日本酒が自慢。日によって異なる銘柄がメニューに並ぶ。以前は薦められるままに酒を楽しんでいたが「あのおいしいお酒はなんだっけ」と思い出せないことがあった。

今では、酒を注いでもらうときに、アプリを起動し、カメラでラベルの写真を撮る。酒を味わったら、5段階の評価と短いメモを残す。あとでメモを読み返すと「すっきりとして、ある程度の酸味がある」という酒の評価が高いことが分かり、自分好みが把握できるようになった。

酒を飲みながら利用するアプリであるだけに「酔っ払っても入力できるように操作を分かりやすくした」と、Sakenoteプロモーション担当の串田幸江さんは話す。あらかじめ全国の約3400銘柄を登録しており、名称の一部を入力すれば、酒の名称が現れるので手間をかけず入力できる。

評価は5つ並んだ星のマークをタッチするだけ。記録するメモは短くてもいいし、とりあえず空欄にしておいてあとで入力してもいい。

日本酒ファンとの緩やかな「つながり」を感じられる機能もある。ラベルの写真やメモを公開すると、フェイスブックの「いいね」と同様に、ほかのユーザーが「乾杯」ボタンを押してくれる。おすすめの居酒屋情報を投稿できる機能もある。

日本酒の情報を手軽に調べたいというときに便利なアプリが「What? SAKE」だ。アプリを起動し、スマホのカメラを使って日本酒のラベルを写し出すと、ロゴや絵柄を自動的に読み取って銘柄を認識し、蔵元などの情報を表示してくれる。

■飲み会の話題作りに

「飲み会での話題作りに活用しています。履歴が残るので、おいしいと思った銘柄を忘れずにすむようになりました」と宮城県の歯科助手、長谷川理恵子さん(33)は評価する。

「ラベルを3分の1くらい読み込んで特徴が認識できれば、すぐに銘柄の情報を表示する仕組みにした」(アプリを開発したコンストラクト・モーメントの中村圭祐代表取締役)という。現在では2500種類以上のラベルの読み込みに対応している。

クールジャパン戦略の一環として、経済産業省も各省と連携して日本酒アプリの開発を進めている。ラベルをカメラで読み取り、銘柄を認識したうえで、純米や吟醸といった日本酒の種別やアルコール度数、磨き度といったデータを表示する。

日本酒の情報を表示するだけでなく「蔵元の酒に対する思いや水のきれいさ、田園の風景など、地域の魅力を動画で流す」(経済産業省生活文化創造産業課の諸永裕一統括補佐)ことで、地方への誘客も狙う。日本語のほか英語表示にも対応し、外国人の利用も促していく。10月に試作版を公開する。

日本酒は有名な銘柄以外にも、地酒や季節の限定品など多種多様だ。

様々なアプリを活用することで新たに自分好みの酒と出合い、秋の夜長を堪能してみてはいかがだろうか。

(電子編集部 松元英樹)

[日本経済新聞夕刊2015年9月10日付]

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