今年風のまとめ髪で涼やかに
ふんわり 立体感を演出
「手ぐしで作ったようなざっくり感を出すのが今年風」と話すのは、ヘアセットとメーキャップの専門店アトリエはるか東京八重洲店の西田美香店長。後ろで全ての髪を結ぶ「1つ結び」は、くしなどで髪をなでつけずに手でまとめて頭頂をふんわりさせる。ボリュームが足りないなら、髪を少し持ち上げてクシで根元に向かってといて逆毛を立て、ソフトスプレーをかけるとよい。
少女っぽくなりがちな三つ編みや編み込みも、編み目を崩すと大人っぽい。ギュッと結んだ後に、髪の表面から毛を少しずつ引き出すのもよい。立体的になるようにするのがコツで、オシャレなだけでなく小顔効果も期待できる。
1つ結びの毛先を、ゴムの結び目の上の髪を分けた間に上からくるっと通す「くるりんぱ」と呼ばれるアレンジも、手軽に立体感を表現できる人気のスタイル。西田さんはこの技を応用すれば、うなじでまとめる低めのアップスタイル「ギブソンタック」が「5分程度で作れる」と話す。
タックは折り込むという意味で、毛先を折り込んだクラシカルな髪形だ。NHKの連続テレビ小説「マッサン」で主人公の妻エリーがこの髪形で登場し、まねをしたいという女性が増えたようだ。「襟足をすっきり見せられ、浴衣にも合う」(西田さん)
清楚(せいそ)なまとめ髪は男性からも人気は高い。加えて「男性受けだけでなく、無造作だがスッキリしたファッションとして定着しつつある」と花王ヘアケア研究所の徳中宏美さんは話す。手の込んだものよりは簡単なアレンジが最近の主流だ。首都圏の20~49歳の女性約600人に尋ねたところ、「日常的にまとめ髪をする人の割合や頻度は年々増えている」。
まとめ髪は見た目だけでなく、「暑さ対策としても有効」(同研究所グループリーダーの四分一敬さん)。首回りをすっきりさせると、うなじ近辺の表面温度が約2度、湿度が約8%下がるという。
アクセサリー重ねづけ
ヘアアレンジは髪が短くても、アクセサリーなどをうまく使えば可能だ。短い髪ならサイドをねじってピンで留めたり、髪を挟んで留めるヘアクリップなどで、耳の上から頭頂部にかけての部分だけをアップにしたりすると涼しげな印象になる。
ヘアアクセサリーは1つ着けるだけで、「髪の長さを問わず、手軽に雰囲気を変えられる」と話すのは、アクセサリーブランド「コンプレックス ビズ」ブランド戦略部の木曽歩美さん。夏は透明なクリスタルガラスやビーズをあしらったクリップやくし形の物が人気だという。スワロフスキーで飾った小型の「デザートクリップ」(5千~1万8千円前後)など華やかな物もある。
浴衣やドレスを着て出かけるような特別な日は、クリップやバレッタ、カチューシャなど複数のヘアアクセサリーを重ねづけするとより豪華な印象になる。服装の色と合わせて選んでみよう。
きれいなまとめ髪を作るには下準備も重要だ。花王の徳中さんは「洗髪後、夜寝る前に根元からしっかり乾かすと翌朝もまとまりやすい」と話す。きちんと根元を乾かすとボリュームが出やすくなる。また、毛先をヘアアイロンやカーラーなどで一巻きし、スタイリング剤を全体になじませておくとまとめやすくなる。
最近はまとめ髪専用の整髪料のほか、編み込みを補助するプラスチック製の道具や髪の間に入れてボリュームを出すパッドなどが市販されている。上手にまとまらない時はこうした便利アイテムに頼ってもいいだろう。
(柳下朋子)
[日経プラスワン2015年8月1日付]
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