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夏の節水策、便利グッズが強力助っ人に シャワーヘッド・アクリルスポンジ…

2015/6/26 日本経済新聞 プラスワン

 蒸し暑い日が続くようになると、水の使用量もだんだんと増えてくる。全国の自治体では水道料金の値上げが相次ぎ、今後も続く可能性が大きいと報じられた。北海道美唄市のように3割値上げするところもあるという。家計を守るために、我が家もさらなる節水策を取り入れなくては。

 これまでも洗顔や歯磨き時にこまめに蛇口を閉めるなど水の節約に気を使ってきた。風呂の残り湯を再利用できれば大きな効果が見込めそうだが、自宅の構造上、洗濯機に給水ホースをつなげるのは難しい。洗濯、炊事……もっと節水できそうなのだが、どうしたらいいだろう。

■汚れ物の予洗いで1回30リットルも節水

 家事アドバイザーの矢野きくのさんに相談すると「お風呂上がりにちょっとした汚れ物の予洗をするだけでも節水効果がある」と教えてくれた。

 育ちざかりの子どもがいると汚れものは日常茶飯事。靴下の泥汚れなどを洗面台でなく風呂場でやるのはいいアイデア。洗濯用洗剤を用意しなくても、手洗い用の固形セッケンで汚れをこするときれいになる。おまけに子どもにお手伝いさせれば、洗面台をびしょびしょにされる心配もなく一石二鳥。予洗後に洗濯コースを「ノーマル」から「ライトウオッシュ」に変更しただけで1回あたり30リットル超の節水効果があった。にわかにやる気が高まってきた。

 東京都水道局によると一般家庭で使われる水のトップは風呂で40%という。4人家族の1日当たりの使用水量を約800リットルとして、およそ320リットルが浴室で流れている計算だ。1リットルあたりの水道料金を0.24円とした場合で計算すると1日76.8円、1カ月で約2300円にもなる。これは問題だ。

 冬場は肩まで温まろうと毎日多めに湯を張っていたが、気温も高くなってきたので水位を見直すのにもいいチャンスだ。日ごろ2人の子どもと入ることが多いため6分目程度に設定するだけで1回62リットルの節水になり、1カ月で約446円節約できる。

 さらに節水効果のあるシャワーヘッドを探しに家電量販店にいってみると壁一面シャワーヘッドだらけ。デザインもさることながら、マッサージ機能や美肌効果をうたうものまで多種多様。その中から塩素除去で髪に優しいという止水機能付きのヘッド(約8000円)を選んだ。

 自宅で付け替えてみると、これが想像以上に水圧も高く、細かい水流が心地いい。何よりデザインはいいけれどやけに重たかった今までのヘッドに比べてずいぶん使いやすくなった。軽くなったうえに手元で止水できるため、子どもでも簡単に扱える。節水効果はお風呂1回あたり32リットルとそれほどではないが、節水以上に快適さがアップしたのがうれしい。

■食洗機の使用が思わぬ落とし穴

 炊事で使う量も17%と大きな比率を占める。日ごろ、洗い物は食洗機任せなのだが、これが案外落とし穴だという。節約アドバイザーの和田由貴さんは「水の使用量を約5分の1に抑えられるとしているメーカーもあるが、手洗いの方が少なくなることもある」という。朝食後に皿やフライパンなどを我が家の食洗機で洗ったところ、いつもの使い方だと50リットル(同360円)だったが、最も省エネのモードにすると27リットル。手洗いでは32リットル(同230円)だから、食洗機の節水機能も使い方次第だ。

 矢野さん、和田さんのオススメが「水だけで洗えるアクリルスポンジ」。アクリルは細かい繊維でできており、細かい汚れもかき出せる。油汚れも落ちるというので、鍋いっぱいにカレーを作り実験してみた。

 泡がないので初めは心もとないものの、確かにきれいに落ちてにおいも気にならない。本来は汚れをしっかりふき取ってから使うのだが、物は試しとカレーのこびりついた鍋もそのまま洗ってみたところ、こちらもみるみる落ちた。すすぎ時間も洗剤を使った場合の半分で済み、時短効果も高い。小さな子どもが洗剤を口にする恐れもなくて安心だ。

 難しいのが洗濯(15%)での節水。これからの季節、洗い物は増えるばかりで回数は減らせず1回あたりの量を減らすしかない。矢野さんが勧めるのは、洗濯物を一つ一つ小ぶりにダウンサイズすること。バスタオルをスポーツタオルに替えたり、シーツを洗う頻度を下げるため上に大判のバスタオルを敷いたり、工夫できるところは多い。

 ただ、バスタオルはシーツよりも厚みがあるので面積は減っても容量はかえって増えてしまう。お風呂上がりにふかふかのバスタオルにくるまれたい気持ちも抑えがたい。

 節水のため生活スタイルを変えようとすると、それがストレスになるかもしれない。快適さをあまり損なわない形で少しずつ節水する項目を増やしていけば、長期的には家計の助けになるはずだ。

トイレの30センチ以内に30秒立つと、「小」より少ない水が流れる
一度に流れる水量はおよそ3~5リットル

記者のつぶやき
■すごいぞ最新トイレ
 家庭で使用される水の2位はトイレだ。1回当たりの水量は3~5リットルだが、チリも積もれば……ということか。小のときに大で流したりしないようにして地道に節水すべく自動洗浄の電源をオフにした。ところが我が家の機器には手動の洗浄レバーが見当たらないのだ。
 メーカーに問い合わせたところ、最新の機種はトイレの着座時間をセンサーで感知、自動で大小を切り替えて排水するという。着座時間が6~30秒ほどの場合は3.3リットル(マンションでは3.6リットル)、それより長いと3.8リットル(同4.8リットル)だ。節水機能も備えたハイテクトイレの進化ぶりには頭が下がる。
(松原礼奈)

[日経プラスワン2015年6月20日付]

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