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スマホでレシート撮影、即家計簿に 人との比較も 献立提案・金融機関と連動…

2015/6/12 日本経済新聞 夕刊

 スマートフォン(スマホ)でレシートを撮影するだけで、日々の支出を簡単に登録・管理することができる――。日本人の3人に1人がつけているといわれる家計簿。手軽にデータを入力・管理できるアプリが、従来の「面倒だから長く続かない」イメージを払拭。ユーザーは主婦だけでなく、大学生やシニア層などにも広がっている。支出を管理するだけでなく、ゲーム感覚で楽しめる機能なども増えている。

■三日坊主を返上

レシートを撮影してデータ登録ができる家計簿アプリ「Zaim」

 「三日坊主の私でも続けられそうだ」。福岡県在住でケアマネジャーを務める女性(60)は笑顔を見せる。定年退職と再雇用を機に4月から使い始めたのが、約400万人のユーザーを持つ家計簿アプリ「Zaim(ザイム)」だ。

 レシートをスマホのカメラ機能で撮影すれば、支出データとして自動的に登録して、グラフで表示する。このため、数字を手入力する必要がない。女性はこれまで数回、家計簿をつけようとした。しかし、そのたびにいつしか入力するのが面倒になって挫折。それがアプリの活用によって「家計簿が楽しくなった。再雇用で下がった給料をしっかり管理しながら、生活水準を維持して60代を満喫したい」と話す。

 家計簿は結婚や子供の出産、マイホームの購入など、人生の節目に備えて「お金をためたい」と考えてつけている人が多い。こうした中で、家計簿の「正確さにこだわりたい」人から人気を集めているのが、約1000人の在宅スタッフがレシート情報をていねいに手入力で登録する「Dr.Wallet(ドクターウォレット)」だ。

 自動処理だと、データを完璧に読み取れないこともあると想定して、「人力」を活用。夜、就寝前にレシートを撮影すれば、朝起きた時には手入力によるデータ登録が完了する。忙しいユーザー向けにはさらに、撮影から5分以内にデータの登録が終わる有料オプションも用意している。活用している40代の女性は「1年近く継続できている。毎晩、レシートをためずに撮影し、データになるのが楽しくてチェックをこまめにするようになった」と満足げな表情を浮かべる。

 アプリは従来の家計簿の機能と同時にそれぞれ独自の機能を備えている。遊び心のある比較機能やレシピの閲覧などもあって、節約以外に様々な使い方が可能だ。

■登録者の平均値表示

 「今月はだいぶお酒を飲んだ。酒代にお金を使いすぎたのではないか」――。ある20代の男性はそう考えて、「Zaim」の比較機能を利用。「飲み代」の項目から、その月に使った金額を、年齢や収入、家庭環境などが似ている人たちと比較してみた。男性は表示された平均値を見て、「そうか。ほかの人も1万5000円くらいを使っているのか」と、ほっと胸をなで下ろした。登録者のデータから平均値を集計して表示する仕組みで、「洋服代」など様々な項目を活用できる。

 ブレインパッドが提供する家計簿アプリ「ReceReco(レシレコ)」には、買った食材に合わせたレシピを届けてくれる機能がある。「ニンジン2本、大根1本」などレシートの情報を分析。「メーンはおでんで決まり!」といった具合に提案する。買い物の延長線上に料理があることに着目した。節約や健康などの面からユーザーを幅広く支援する。

 アプリは、主要銀行など金融機関と連動して使えるものが多い。金融機関のウェブサイトに接続すれば、入金・出金の登録データを自動的に取得し、支出や収入として反映される。かつては主婦が食費や医療費などをそれぞれ「袋分け」してつけていた家計簿はここまで様変わり。「夏は、旅行に行きたい」「食欲の秋に向けて自炊に挑みたい」など、家計簿アプリの機能を駆使し、いろいろな場面に役立てたい。

(電子編集部 ゼンフ・ミシャ)

[日本経済新聞夕刊2015年6月11日付]

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