火山 噴火のメカニズムは

火山ってどうして噴火するのかな

スーちゃん 大変、口永良部(くちのえらぶ)島(鹿児島県)の新岳(しんだけ)が噴火(ふんか)しちゃったよ。箱根山(神奈川県)はどうなのかな。他の火山も噴火したり、噴火が近いといわれたりしているよね。日本には火山が多いって聞いたことがあるけど、大丈夫(だいじょうぶ)かなあ。

地下のマグマが上昇して起きるんだ

森羅万象博士より 火山の下には、岩がどろどろに溶(と)けたマグマがある。温度はセ氏700~1200度ととても熱い。マグマが地下から押し上げてできたのが火山だ。ちなみに世界一高い山エベレストは、大地がぶつかって盛り上がったんだ。

マグマはふだん地下深くにあるけど、ときどき地面に出てくる。これが噴火で、地上に出たマグマを溶岩(ようがん)と呼ぶ。

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地下にたまったマグマが地表に向かって上がると、溶けていた水などがガスになってあわになる。炭酸飲料が入ったボトルをふるとふき出すのとにているよ。あわが増えてふき出そうとする力が強くなると、岩のもろいところがこわれ、マグマが地表に出る。

噴火しても、必ずマグマがふき出すわけではない。箱根山で心配されているのが、地下の水がマグマの熱で沸騰(ふっとう)してふき出す「水蒸気爆発(ばくはつ)」だ。水蒸気噴火と呼ぶ学者もいるよ。マグマが地下水にふれると「マグマ水蒸気爆発(噴火)」が起きる。水蒸気といっしょにマグマもふき上げる。口永良部島で起きた噴火はこのタイプのようだね。マグマだけ出るのは「マグマ爆発(噴火)」と呼ばれている。

近いうちに噴火するかもしれない「活火山」は日本に110ある。日本には、世界にある活火山の1割が存在するといわれているよ。

むかしは桜島(鹿児島県)のように噴煙(ふんえん)をあげている火山を「活火山」と呼んだ。すぐに噴火しそうにない火山は「休火山」や「死火山」といった。例えば、富士山(静岡・山梨県)は休火山、昨年噴火した御嶽山(おんたけさん)(長野県)は死火山だった。でも、数千年間も静かだったのに急に噴火することもあるとわかり、休火山や死火山とはいわなくなったんだ。

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マグマは二酸化ケイ素という物質がどれだけあるかで、「ねばりけ」がちがう。それによって噴火のようすも変わるんだ。二酸化ケイ素が多いねばりけが強いマグマだと、ドーム状にとんがる。雲仙(うんぜん)・普賢岳(ふげんだけ)(長崎県)や昭和新山(北海道)がこれだ。

日本にはねばりけが中くらいの火山が多く、富士山のようなきれいな円すい形がよく見られるね。箱根山は大むかしは円すい形だった。ねばりけが弱いと、溶岩はドロドロ流れてなだらかになる。同じ火山でも、噴火のパターンがちがうこともあるよ。

火山が多いのは地下に秘密がある。地球はプレートと呼ぶ巨大な岩の板でおおわれている。日本があるプレートの下には、太平洋から別のプレートがもぐり込んでいる。その地下深くで岩が溶けてマグマができるんだ。

約9万年前には、九州全体が溶岩などでおおわれるようなとても大きな噴火が起きたことがある。おどろきだね。

日本人は火山から温泉などたくさんのめぐみを受けている。火山をよく知りながら、つきあっていくのが大切だ。

予知はやっぱり難しい

博士からひこと 火山がいつ、どれくらい噴火するのか予知するのは難しいんだ。火山の場所は決まっているけど、マグマが目には見えない地面の下にあるので、噴火がいつ起きるのかわからない。山がふくらんでいるかどうかや地震などからマグマの動きを予測して、火山のまわりに住んでいる人たちに逃げるように伝えて助かったこともあるけど、必ずうまくいくとはいえないんだ。でも、いきなり起こる地震と比べれば、噴火の前に白い煙(けむり)が出たりすることがよくあるのも確かだね。とにかく噴煙が出たり地震が増えたりしたら、安全な場所まで逃(に)げるのが大事だね。

(取材協力=鈴木桂子・神戸大学准教授)

[日経プラスワン2015年5月30日付]

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