デザイン自在、私らしく Tシャツ・眼鏡・スニーカー
写真やイラスト、スマホ使い入力
ユニクロは、オリジナルのTシャツをつくるスマホ向けアプリ「UTme!」を提供している。デザインできるのはTシャツの前面。自分で撮影した写真や文字を書いて入れたりできるほか、スマホの画面を指でなぞり、絵を描いてもいい。写真や文字、絵などを組み合わせることも可能だ。
ユニクロはデザインが商標権や著作権に違反していないか確認してから印刷している。
指1本でアート風
Tシャツの価格は1枚1933円(税込み)から。デザインしたTシャツは、アプリ内のマーケットに出品して販売もできる。売れた場合は300円が出品者に支払われる。「デザインに自信がない人でも大丈夫です」と語るのはデジタルサービスチームの江口修平さん。アプリに絵や写真を加工してくれる機能があるからだ。そのうえ、デザインの一部は米ニューヨーク近代美術館が監修していると聞けば心強い。
デザインは指1本で手軽にアート仕立てにできる。アプリを起動した後、自分が撮影した写真を選ぶとする。次に、スマホを振ったり、指で画面をこすったりすると、写真が次第に変化していく。絵の具で細かく塗った「ちぎり絵」のようになったり、小さく分解された写真が組み合わさったりして、「偶然に生まれたアートになる」と江口さん。
「孫の写真を入れたTシャツを祖父母に送った」「会社の送別会で寄せ書きのTシャツをつくった」――。ユニクロに寄せられる利用者の反応からは、もらった人の笑顔が思い浮かぶようだ。大切な思い出や気持ちを届ける手段としてオリジナルTシャツが選ばれているという。
デザインへのこだわりは眼鏡の愛好家も同じだ。眼鏡専門店「JINS」を展開するジェイアイエヌは、スマホからオリジナルのデザイン眼鏡がつくれるサービス「JINS PAINT」を始めた。眼鏡のつるの部分の内側と外側に写真や文字、模様などを入れられる。眼鏡を使う人だけでなく、ファッションの一部としても人気がある。
最初にレンズフレームの形や色を選んだ後、つるの部分をデザインする。絵を描いたり、文字を書いたりでき、写真を使うことも可能。写真や模様をぼかしたり、メッシュを入れたりしてデザイン性を高めていく。画面上で眼鏡を360度回転させながら仕上がりを確認する。出来上がった眼鏡は2週間程度で自宅に届く。価格は8532円(税込み)。度付きレンズにしてもしなくても価格は同じだという。
プレゼント用にも
度付きレンズにした場合、デザインした眼鏡に視力に合ったレンズを付けて送ってくれるが、「レンズ交換券」を選んでもいい。同封された交換券があれば店頭でレンズを付けてもらえる。アプリで眼鏡の送り先を指定できるため、「プレゼント用につくる人もいる」(Eコマースグループの向殿文雄さん)。
眼鏡はTシャツと違ってデザインの面積は限られる。その代わり、つるの内側の見えない部分に「秘密のデザイン」を入れられる。大切な人の名前や記念日、メッセージなどを入れれば、眼鏡をかけるときの気分まで変わりそうだ。
アディダスが提供しているのはオリジナルのスニーカーだ。専用アプリを使って自分だけの靴をつくることができる。スマホで撮影した写真や画像を選んで、足の甲の部分に合わせて大きさや角度を調整する。デザインの仕上がりは画面上で360度の視点から確認できる。スニーカーの価格は1万7280円(税込み)。オリジナルの靴を履けばスポーツがもっと楽しくなるかもしれない。
(電子編集部 古山和弘)
[日本経済新聞夕刊2015年5月28日付]
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