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暮らしの知恵

看病から掃除・洗濯まで 家事支援、単身者向け充実

2015/5/30

暮らしの知恵

単身赴任などによる一人暮らしの負担を軽くしてくれるのが家事代行サービス。最近では病気の看病までこなしてくれる至れり尽くせりの社員寮も登場。掃除・洗濯などでも、ニーズや予算に合わせて単身者が気軽に利用できるメニューも増えてきた。
「ドーミー」では宅配便の受け取りをマネージャーにお願いすることもできる

共立メンテナンスが運営する社員寮「ドーミー」では、「マネージャー」と呼ぶ夫妻が常駐し、一人暮らしをサポートしてくれる。マネージャーには不在時の宅配便受け取りや病気の時の看病など、ちょっとした身の回りの世話を頼むことができ、入居者にとって頼れる存在だ。

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共有スペースが充実しているのも魅力だ。一人暮らしだと、湯船にお湯を張り、使用後に風呂掃除をするのがおっくうという人もいる。ドーミーは大浴場を完備していて午前0時まで利用できる。和・洋食を選べる朝食や夕食を提供する食堂も、午後11時30分まで開いている。残業後でそこそこ帰宅が遅くなっても、ゆったりした大浴場で湯船につかり、肉豆腐やカレーなどの温かい夕食をとることができる。

契約時には保証金、入室料を払う。家賃にあたる室料のほか、管理費、食堂維持費などが毎月かかる。食堂での食事は別料金となっていて、朝食は1食240円、夕食は同480円。

ドーミーは、単身赴任者の一人暮らしで生じる負担を軽くしたい企業が、社員寮向けなどに契約することが多いという。単身者が個人で契約することもできる。

共立メンテナンスはドーミーを、首都圏を中心とする全国に175棟、1万5962室を展開している。

家事代行サービスというと、従来は家族向けというイメージが強かったが、単身者が手軽に利用できる「お一人様」向けも拡大している。ベアーズ(東京・中央)が展開する「ベアーズONE」はワンルームや1DKのマンションなど広さが40平方メートルまでの部屋を対象にしたサービス。単身赴任者などの利用を見込んでいる。

掃除や洗濯など基本的な内容に絞り込み、時間もファミリー層向けのサービスに比べて30分短い1回90分(月2回から、税抜き5239円)と単身者が利用しやすく設定した。

平日の利用が多いという(ベアーズの家事代行サービス)

同社によれば、利用者は「平日に仕事に出かけている間に掃除や洗濯を済ませてくれるよう依頼するケースが多い」そうだ。利用者の中心は20~30歳代で男女の比率はほぼ半々。休日の土、日曜日に家事をこなすかわりに、勉強や、恋人とのデート、リフレッシュに充てたいという利用者もいるという。

以前は家事代行を利用するのは一定の収入のある共働き世帯が中心で「単身世帯の利用はほとんどなかった」(同社)。ファミリー向けに比べて割安感のある単身者向けサービスが徐々に広がってきたことで、ベアーズの家事代行事業のうち単身者の利用が占める割合は2割近くにまで増えているという。

30代のIT企業に勤務する男性は「毎日仕事で忙しく家に帰るのも遅く、休日に掃除や洗濯しなければならず気が重かった。1回飲みにいくのとほぼ変わらない費用で、苦手な家事をお願いできるので助かる。留守中に親が掃除にきてくれているような感覚だ」と話す。

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女性の利用例も増えている。中野区在住の20代の女性は「休日は友達と会ったり、スキルアップの勉強をしたりする時間に費やしたい。これまでは洗濯や掃除などで時間をつくるのが難しかった。休日の予定が組みやすくなった」と話す。

長谷川興産(東京・豊島)が展開する家事代行サービス「マイ暮らす」も「一人暮らし応援プラン」と銘打ち、単身者向けのメニューを用意している。こちらも掃除や洗濯が中心だが、オプションで食事を作ったり、洗濯機の内部をクリーニングしたりするサービスも設けられている。

■料金体系などチェック
 家事代行サービスを依頼する場合、事前にサービス内容や利用回数について、細部までよく説明を受けておく。基本料金にスタッフの交通費が含まれているかどうかなど、料金体系は業者によって違うので注意したい。

(下村恭輝、山田彩未)

[日本経済新聞夕刊2015年5月27日付]

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