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出張達人への道 準備編 まず社内規定の確認を ホテル、早めに予約を 現金は多めに用意

2015/5/28 日本経済新聞 夕刊

仕事をしていると、出張をする機会がある。慣れている人なら段取りや手続きは身についているだろうが、初めての出張などの場合、戸惑うこともあるはずだ。出張を滞りなく進めるにはどうすればいいのか。押さえておきたいポイントを2週にわたり紹介する。まずは出発前の準備編から。

「とりあえず社員マニュアルを読むところから始めた」。こう語るのは都内のIT企業に勤務する鎌田愛さん(仮名、30代)。初出張が決まった際、何から手をつければいいか分からず戸惑ったという。

パソコンで出張申請書を作成する

出張をする際に必要な手続きは企業によって異なる。まずは社内規定などを確認しよう。次は出張申請。日時、行き先、目的などを明確にしたうえで、上司の承諾を得る。

続いて、交通手段や宿を手配する。企業によっては管理部門などが手配するが、出張者が自分で手配するケースも多い。最近はインターネット予約が主流になっている。

ビジネスマナー・コンサルタントの鈴木真理子さんも、新幹線や飛行機はネットで予約する。航空券は早めに予約すると早期割引で安く買える。ただ、その代わりに変更ができないケースもあるので注意が必要だ。新幹線は東日本エリアなら「えきねっと」、西日本エリアなら「エクスプレス予約」で予約できる。

宿の予約もネットが便利だ。経費請求できる予算内で、仕事をする場所から近いホテルを選ぼう。最近は旅行予約サイトよりホテルの公式サイトの方が宿泊料金が安いことも多い。ホテル評論家の滝沢信秋さんは「予約前に両方チェックする」ことを勧める。

ホテルのネット環境も気になるところ。最近はほとんどのビジネスホテルが無料の公衆無線LAN、Wi―Fiの接続サービスを導入しているが、ネットが使えないホテルもある。予約前にホームページで確認しておこう。

あとは、宿に何を求めるかによって選び方は変わってくる。滝沢さんによると、「最近のビジネスホテルは大きく2つのタイプがある」。まずは「低廉型」。全国にチェーン展開している低価格のホテルだ。各地で利用すればポイントもたまり、予算を抑えたい人に向いている。

もう一つは最近増えている「付加価値型」。大浴場、デュベスタイル(羽毛の掛け布団が清潔なシーツで包まれている)、持ち帰りができるスリッパ、地元の食材を使った朝食などプラスアルファを重視したホテルだ。快適な滞在を求める人に向いている。「地方なら、このタイプでも値段は安い」と滝沢さん。

注意したいのは、出張の日程だ。「急に決まった出張が人気アイドルグループのコンサートが開催される週と重なって、福岡・博多で仕事なのに同久留米のホテルしか取れなかったことがある」。全国で人材育成や教育研修を手掛けるインソース(東京・千代田)の執行役員、金井大介さんは話す。

こうした事態を防ぐために、早めに予約をしておく。適当な宿が見つからないときは、いっそ日程を変更するという手もある。無理にその日に行く必要があるのか検討してみよう。出張で不在にする旨を周囲に知らせることも忘れずに。仕事の引き継ぎを頼みたい場合は、特に早く伝えるよう心掛けたい。

出張先に持参する資料は、必要な部数を確認し、用意しておこう。前日に慌てないよう、荷物も早めに準備しておきたい。金井さんは、必要な物を「出張セット」として常に出張用のかばんに入れている。例えば歯ブラシ、コンタクトレンズ、乳液、ネクタイ、靴下、ワイシャツなどだ。

女性が注意したいのが、多くのビジネスホテルのサービスが男性向けなこと。サイズが大きすぎる浴衣より、愛用しているパジャマを持参して着た方がぐっすり眠れるかもしれない。ホテルのリンスインシャンプーで髪がゴワゴワになった経験があるなら、普段使っているシャンプーとリンスも持参した方が安心だ。シャワーキャップを置いていないホテルも多いので、必要な人は持参しよう。

出張時の荷物はかつてに比べると減少傾向にある。金井さんは1泊なら小さいかばんで出かけるという。「必要な情報は全てスマートフォンから引き出せるので、ノートパソコンも持っていかなくなった」と話す。携帯用の充電器などは忘れずに。

現金を普段より多めに用意しておくことも大切だ。「地方に行くとATMやコンビニを探すのが大変。現金があれば時間のロスや気持ちの焦りがなくなる」(鈴木さん)。「お世話になります」という気持ちをこめて、取引先や支社スタッフに土産を買っていくのもいいだろう。

次週は出張に出かけてから帰社後までのポイントを紹介する。

(ライター ヨダ エリ)

[日本経済新聞夕刊2015年5月25日付]

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