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ビジネスメール、送信先には注意 1日以内に返信

2015/4/9 日本経済新聞 夕刊

 取引先との連絡や社内の打ち合わせなど仕事でメールを使う人は多い。プライベートのメールと違うと分かっていても、送る際にどう書けばいいか迷うことはないだろうか。社会人が知っておきたいビジネスメールの基本と注意点をまとめた。
メールは重要なビジネスツール

 「冷や汗が出た。先輩に指摘されるまで気が付かなかった」と振り返るのはメーカー勤務の真田雄太さん(仮名)。販促イベントの社内打ち合わせをメールでしていたところ、真田さんは途中から宛先に外部の協力会社の担当者をCC(カーボンコピー)で追加した。しかし社外に出すのは望ましくない内容があったため注意されたという。

 CCは直接の受取人以外に情報を共有したい相手がいる場合に使う。ただし事前に確認しないと、本人の了承なしでメールアドレスが第三者に伝わるほか社内限りの情報が漏れる可能性がある。CCを使うときはメール本文にも相手先の氏名を書いて「A様にもお送りしています」と断るのが基本的なマナーだ。

■情報管理の意識

 もう一つ覚えておきたいのがBCC(ブラインドカーボンコピー)の使い方。受信者は自分以外の宛先が分からないため、互いに知り合いではない複数の人に送るときに向いている。企業研修を手掛けるフィールドデザイン(東京・渋谷)社長の中山佳子さんは「なぜアドレスが伝わるのがダメなのかと研修で質問する新人がいる。社会人は個人情報の管理に敏感になるべき」と強調する。

 ビジネスメールの初心者は文章の書き方に関心が向きがちだが、メールソフトの設定を確認することも重要だ。日本ビジネスメール協会(東京・千代田)代表理事の平野友朗さんは差出人(送信者)名や送信形式、署名の事前チェックを促す。差出人名は海外とのやりとりがなければ日本語表記にし、所属会社名も加えて設定するのが一案だ。「相手がどこの誰かすぐ分かるし、分類や検索もしやすい」(平野さん)

 送信形式は通常は文字だけ送ることができるテキスト形式を選ぶ。文中に画像を入れたり、文字の色を変えたりできるHTML形式は受信側のソフトが対応していない可能性がある。メールの文末に記載する署名には住所や電話番号、自社サイトのアドレスなど名刺と同じ程度の情報を用意しておく。

 メールの件名も相手に与える印象を左右する。返信する際は「Re」と付く形で送るが、ビジネスメールの著書があるマナーコンサルタントの西出ひろ子さんは「Reの後は必要に応じて書き換えよう」と助言する。件名は本文の概要が一目で分かるよう具体的にするのがポイント。例えば「次回セミナーについて」とするより「5月15日セミナーの会場変更について」の方が分かりやすい。

 メールの本文は(1)宛名(2)冒頭あいさつと名乗り(3)用件(4)結びのあいさつ(5)署名、と5つに分けて構成するのが基本だ。宛名は「B商事 営業部主任 C様」のように相手の会社、所属先、肩書を付けよう。やりとりが続くようなら氏名だけにしてもよい。

 「拝啓 陽春の候……」といった時候のあいさつは原則として不要。「社内の相手には『おつかれさまです』、社外には『お世話になっております』と簡潔な表現で十分」(平野さん)

 文章の言葉は丁寧語が基本。用件は簡潔にまとめる。長くても1行当たり30文字程度で、箇条書きなどを上手に使おう。署名を毎回付ければ、相手は電話番号など連絡先を探して過去のメールを検索する手間が省ける。

 返信は受け取ってから1日以内が望ましい。外出先で携帯電話やスマートフォンで送るのは緊急時に限るのが無難だ。個人アドレスからのメールはビジネスツールとして定着していないため、相手によっては不快に感じるかもしれない。

■誤字脱字を直す

 送信前には読み返して誤字脱字を直す。要注意なのは添付ファイルの付け忘れだ。本文に、添付した旨を書く癖を付ければ添付忘れの防止にもなる。ファイル容量が大きいとメール自体が届かないことが多いため、合計で2メガバイトを目安にしよう。2メガバイトを超える場合はメールを分けるか、無料で利用できる転送サービスを使うのが選択肢だ。

 ビジネスメール協会の2014年全国調査(有効回答1422)によると自分のメールに不安を感じていると回答した人は全体の約7割に達し、受け取ったメールで不快な気持ちになったという人は過半数を占めた。自分のメールを見直すと相手とのコミュニケーションが深まり、仕事の質の向上につながるかもしれない。

[日本経済新聞夕刊2015年4月6日付]

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