梅田芸術劇場制作「ボンベイ ドリームス」賑々しい音楽が前面に

インドの音楽を、たっぷりと使ったミュージカル。「オペラ座の怪人」のアンドリュー・ロイド=ウェバーがプロデュースしたということで、2002年のロンドン初演のころから話題を集めていた作品だが、このたび日本初登場。映画「スラムドッグ$ミリオネア」で、アカデミー作曲賞を得たA・R・ラフマーンの音楽が、まずは賑々(にぎにぎ)しい。

かつてはボンベイと呼ばれた、ムンバイのスラム街から始まる。街自体は、発展途上のようだが、暮らしぶりの格差は激しい。最大の娯楽は映画。みんな映画が大好きで、なかでも強く映画スターにあこがれている青年(浦井健治)がいる。

彼は街で美人コンテストが行われたとき、取材のテレビ・カメラの前で歌と踊りを勝手に披露。それがプロデューサーの目にとまって、めでたく映画デビューとなる。彼のまわりには、映画監督志望の若い女性(すみれ)、それにインド映画界最大のスター(朝海ひかる)などがいる。だが同時にスラム街には再開発の問題があり、弁護士(加藤和樹)なども関わってくる。

インドの音楽を使った作品は〈マサラ・ミュージカル〉というそうだが、物語展開の詳細よりも、賑やかな音楽が、まずは引きつけてしまう。

多くのナンバーの中でも、「シャカラカ・ベイビー」が、まずは魅了する。宝塚OGきってのダンサー=朝海ひかるが、カンパニーを率いて歌い踊るのだが、この派手さが、作品全体を象徴している。衣装デザイン(木鋪ミヤコ)、振付(原田薫、梅棒)なども、マサラ味がたっぷりだった。演出・訳詞=荻田浩一。8日まで、東京国際フォーラム・ホールC。2月14、15日、大阪・梅田芸術劇場メインホール。

(演劇評論家 小藤田 千栄子)

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