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取引先の訪問 失礼なく アポ入れ メールより電話 コート 外で脱ぎ裏返す バッグ 面会中は足元に

2015/2/5 日本経済新聞 夕刊

ビジネスで商談を進める場合は取引先への訪問が欠かせない。しかし面会の約束を取るのは電話とメールのどちらがいいのか、訪問当日は約束の何分前に取り次いでもらうのが失礼でないのかなどで迷った経験はないだろうか。他社を訪問する際の準備とマナーのポイントを知っておこう。

「メールが普及したとはいえ、アポイントはまず電話で取るのが基本」。ビジネスマナー研修などを手掛けるマネジメントサポートグループ(東京・港)の古谷治子さんは話す。

面識のない相手にメールで申し込むと、人によっては失礼な対応と受け止められかねないためだ。すでに何度か会ったことのある相手でも、先方が出張などですぐにメールに気付いてくれるとは限らない。電話を入れるのが無難だろう。

電話ではまず「○○の件でお話をさせていただきたいのですが、ご都合はいかがですか」などと相手の都合を聞く。必要な時間はどのくらいか、何人で訪問するのかといった要望を伝えれば相手も返事がしやすくなる。

日時は先方の都合を優先する。2~3の候補日を挙げてもらえれば、互いの都合を合わせられる。こちらから「○日はいかがでしょうか」と切り出してもいいが、押しつけがましい印象を与える可能性もあるので、丁寧な口調を心掛けよう。

「受付で取り次いでもらうのに15分くらいかかった」。電機メーカーに勤務する江藤慎二さん(仮名、35)は思わぬ遅刻をした経験がある。取引先の部品会社を訪問したとき、組織改革で先方の部署名が変わっていたのだ。会社によっては似たような部署名が複数存在することもある。約束を取るときは相手の部署名や肩書を改めて確認しておくといい。

■名刺多めに準備

訪問当日は約束の5~10分前には相手の会社に到着したい。名刺は余分に用意しておく。すでに面識のある相手でも関係者を紹介されるかもしれないからだ。コートは建物の外で脱ぎ、裏返して持つ。ホコリを落とさないようにするためだ。

受け付け前にコートは脱ぎ、裏側を表にして持つ

万が一、遅れる場合はすみやかに電話を入れる。約束の時間より前に連絡するのがマナーだ。相手が会議中などで出られない場合は必ず伝言を残す。自分が遅れるため必要な時間が確保できないときは改めて日程調整をお願いする。

受け付けをして係の人に応接室に案内されたら勧められた席に座る。席を指定されない場合はどうしたらいいか。古谷さんは「入り口に近い席が下座なので、まずはそこに座る。相手が来て上座を勧められたら辞退せず、礼を述べてから座り直せばいい」と助言する。

バッグは椅子やテーブルに置かず、足元に置いておく。「コートはたたんでバッグの上か座っている椅子の背もたれと自分の背中の間に置く」とビジネスマナーに詳しい美月あきこさんは話す。

コートを背もたれに掛けるのは避けよう。ポケットの中身が落ちたりするからだ。待っている間にお茶などを出されたら、一口ぐらいは飲んで構わない。

■会社を代表して

相手が来たらすぐに立って、面会時間をもらったことへのお礼を言う。相手の名刺は両手で受け取るのが基本だ。面会中は携帯電話はマナーモードにしておく。時間の経過は腕時計で確認したい。最近は携帯電話の画面で時間を見る人も少なくないが、携帯を取り出すと相手の気を散らしてしまう可能性がある。

面会を終えるタイミングは「基本的には訪問したほうが切り出す」(美月さん)。資料を片付けて「本日はお忙しいところ、ありがとうございました」と言おう。相手が見送ってくれる場合も、早めに「ここで結構です」と申し出て相手に配慮する。建物を出たところでコートなどを身につける。

訪問している時は自分が会社を代表していることを十分意識しよう。言葉遣いにも注意が必要だ。敬語をうまく使えない場合は無理せず、丁寧にハキハキと受け答えする。相手に「あの人なら信頼できる」と思われるような振る舞いを心がけたい。

(編集委員 川鍋直彦)

[日本経済新聞夕刊2015年2月2日付]

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