寒い季節のスポーツ ストレッチでけが防げ

寒い季節でもランニングやゴルフ、サッカーなどのスポーツを楽しむ人は多い。体を動かす前にストレッチなどの準備運動をきちんとやれば、けがの予防に役立つ。筋肉を温めて柔らかくすれば動きがしなやかになり、スポーツの成績向上にもつながるという。スポーツで汗を流した後に体の関節の可動域を広げるストレッチを組み合わせれば、さらに効果が上がると専門家は指摘する。

ストレッチは大きく「動的」と「静的」に分けられる。動的ストレッチは体を動かしながら手足や体幹の筋肉を伸縮させ、温めて柔らかくする。一方、静的ストレッチは弾みを付けずに筋肉を伸ばす。

動的ストレッチの代表例が、広く普及するラジオ体操やサッカー選手などが試合前に実施する「ブラジル体操」だ。「血流をよくして体温を上げることで、筋肉が伸縮しやすくなる」。動的ストレッチの効果をこう説くのは、地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院(旧大阪厚生年金病院、大阪市)の島田幸造スポーツ医学科部長だ。プロ野球、阪神タイガースのチームドクターも務めている。

■まず軽めの負担

ブラジル体操はサッカー以外のスポーツでも準備運動として普及している。まず5分程度、軽いジョギングをして体を温める。その後は膝や足の裏を高く上げたり、足を前後にクロスさせたり、左右に開いたりする。体の前と上で両手をたたく。これらはどのスポーツにも役立つ動作だ。

加えて「各競技でこなす動作も取り入れるとよい」(島田部長)。サッカーならヘディングやディフェンスの動作を動きながらこなす。ゴルフなら実際にクラブを持って素振りしたり、ボールを20発程度打ったりする。テニスでは軽くボールを打つ。野球の場合はキャッチボールを数メートルの近距離で始めて徐々に距離を延ばす、といった具合だ。野手はキャッチボールを兼ねた守備練習で体を温める。

スポーツジムの器械運動など筋力を鍛える前は、まず軽めの負荷で体を動かし筋肉を温めてから、徐々に負荷を上げていくのがおすすめだ。

ブラジル体操の代わりに、ラジオ体操で体を温めるのもよい。1928年開始のラジオ体操は「歴史は古いが、よく考えられた科学的な運動だ」と専門家は口をそろえる。背筋や腹筋、手足の筋肉など400を超える全身の筋肉をくまなく動かせる。第1と第2体操で、それぞれ約3分間に13種類の運動をする。手足や胴体の筋肉や関節をリズムに合わせて伸ばすため、けがの予防に役立つ。