高さや角度を調整 似合う帽子の選び方
高さの調整でおしゃれ
「最近、ニット帽がママ友の間ではやっているけど、おしゃれにかぶれる自信がなくて」。子育て中の主婦、沢村典子さん(仮名、35)はこう話す。
理由は「個性が出るデザインだし、似合わないと周囲から浮きそうだから」。試してみたいが自分の顔の形や年齢に合った帽子の選び方がわからないのだという。沢村さんのように、帽子のおしゃれに憧れながらも苦手意識を持つ女性は意外に多い。
帽子専門店「CA4LA(カシラ)」(東京都渋谷区)の高橋明佳さんは「例えばこの顔の形だからニット帽は似合わない、ということはありません」と話す。ニット帽といっても、かぶった高さや編み方、色や素材など種類は様々。高橋さんは「丸顔なら帽子に高さを出し、面長なら平らに低くかぶることでベストバランスに近づく」という。
カジュアル過ぎる、あるいは若作りに見えてしまう、と感じる場合は素材選びに工夫を。「カシミヤなどの高級感ある柔らかな素材なら、上品で大人っぽい雰囲気を出せる」(高橋さん)。自分の個性に合う帽子をかぶれば、顔の形のコンプレックスを和らげることもできるという。
今年はフェルトの中折れ帽も人気だ。CA4LAでは20代を中心に8000~9000円台のものが売れているという。ただ、「中折れ帽は似合う形を探すのが一番難しい帽子」と高橋さんは言う。ブリム(つば)の幅や頭部を収めるクラウンの高さのわずかな違いで印象が大きく変わるからだ。顔が大きめなら広いブリム、角張ったベース形の顔はクラウンにボリュームのある形が似合う。
同じく人気のあるベレー帽は「シンプルで初心者におすすめ」(高橋さん)。顔の小さい人は小ぶり、大きい人は大ぶりのものがバランスがいい。色に迷ったら、黒やグレー、茶などがどんな服にも合わせやすい。
「指1、2本入る」が適正
「上手にかぶるには数をこなすしかない」。パーソナルスタイリングを手掛けるファッションレスキュー(東京都渋谷区)社長の政近準子さんはこう話す。
似合わないと感じるのは帽子姿の自分を見慣れないせいもあるという。ただ、お店で試すだけでは限度がある。「まずは気に入った安い帽子を2、3個買い、鏡の前でいろんなかぶり方を研究するのがおすすめ」と政近さん。
例えば中折れ帽は浅めにかぶって額を出すと若々しく、目深にかぶるとシックな印象に変わる。ベレー帽も斜めに傾けるとおしゃれに。自分の持ち味に合った演出をしてみよう。
帽子をかぶるのに慣れないと頭の蒸れや髪形の崩れも気になるもの。これらを防ぐためにも最適なサイズを知ることが重要だ。
同社スタイリストの笹原幸代さんは「額と後頭部の一番出ているところを真っすぐ結んで1周メジャーで測り、その頭囲に1センチ足した長さがちょうどいい」と説明する。かぶった時に指が1、2本入る程度だ。大きい場合は内側の調整スベリですぼめたり、スベリの裏側にスポンジを挟んだりするとよい。
気に入った帽子は収納にも気をつけたい。ブリムがある場合は形崩れしないよう気をつけよう。「必ず専用の収納箱を作ること」と政近さんは助言する。最近は専用ハンガーや段ボール製の簡易な収納箱も多く市販されている。
帽子のおしゃれに自信がついたら、「パーティーに合うフォーマルな帽子にもチャレンジしてほしい」と政近さん。年末年始にかけてイベントが増えるこれからの季節、特別な帽子で着飾ってはどうだろう。
(柳下朋子)
[日経プラスワン2014年12月6日付]
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