将棋界はインターネットの取り込みに力を入れている。「インターネットと将棋に想像以上の相乗効果があった」(電子メディア部の杉浦伸洋部長待遇)。インターネットを通じた動画配信だけにとどまらず、プロ棋士とコンピューターの対局など幅広い分野でIT(情報技術)の導入を進めている。

将棋ウォーズには将棋界のIT導入を象徴するもう1つのサービスがある。現役のプロ棋士に勝利したソフト「ponanza(ポナンザ)」が手助けしてくれる「棋神降臨」という機能がそれだ。HEROZの林氏は「人が手詰まりに陥ったときにコンピューターが手助けしてくれる。良い手を覚えるきっかけになり、新しいeラーニング(インターネットを利用した遠隔教育)の形だと思っている」と胸を張る。

■ITで普及一段と

将棋ウォーズにはコレクションの要素もある。自分が使った戦法や囲い(守備陣形)などがコレクションとして記録されていく。記録する戦法だけでも100通りを越え、集める過程で将棋を学ぶことができる。

囲碁界でもインターネットの取り込みを始めている。日本棋院が運営するウェブサイト「幽玄の間」では、同サイトでの段・級位に応じた免状をもらうことができる。幽玄の間は将棋ウォーズや将棋倶楽部24と同様にアプリ版もあり、手軽に楽しめるのが特徴だ。

将棋・囲碁ともに初心者向けのアプリなども充実しており、ITを活用した普及活動は一段と進んでいる。

インターネットやスマホの普及を受け、伝統的な室内ゲームが室内にとどまらない広がりを見せている。「就職活動に向けた資格の1つとして、将棋の免状や認定状を取ろうという動きも学生の間にある」(HEROZの林氏)。隙間時間を生かし、インターネットでアマの段・級位の獲得に挑戦してみてはいかがだろうか。

(経済部 佐伯遼)

[日本経済新聞夕刊2014年11月20日付]

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