住民の皆さん、健康に関心持って 知恵絞る自治体

住民に健康づくりに関心を持ってもらおうと、自治体などが知恵を絞っている。健康診断を受診した人に特典を与える「健康マイレージ」を導入したり、企業単位で表彰をしたり。医療費削減につなげるのが狙いだが、効果のほどは――。
優待カードを提示して各店独自のサービスを利用する(静岡県藤枝市)

「体調管理が習慣となり、生活にリズムが生まれた」。JR藤枝駅(静岡県藤枝市)に直結するカフェ「ハルモニア・ガトーゴーシェ」。同市に住む前沢康代さん(57)はコーヒーカップを手に笑顔で話す。

■すしや映画割引

藤枝市は県と連携し、2012年10月から県内の他市町に先駆けて「健康マイレージ」を始めた。運動や食事などの目標を達成したり、健康診断や地域行事に参加したりしたらポイントを付与。一定以上をためると優待カードを提供し、協力店のサービスを1年間利用できる。

前沢さんはこの日、ポイントでドリンク1杯のサービスを受けた。現在の協力店は約80店で、ほかにもすしや映画の割引がある。市健康企画課の藁科仁美主幹は「病気の早期発見・治療など『守る健康』だけでなく『創る健康』を柱にメニューを考えたい」。昨年2月にはスマートフォンなどでマイレージの記録や申請、体重管理などができる仕組みも導入し、700人以上が登録した。

静岡県内では藤枝市を含む17市町が「健康マイレージ」事業を実施する。同様の取り組みは福岡、兵庫、埼玉など全国各地の自治体にも広がる。

厚生労働省によると、13年度の医療費は計約40兆円。負担を抑えるには健康に過ごす期間を延ばす必要がある。ただ個人の生活習慣や心がけによる部分が大きく、自治体や健康保険組合だけでは限界がある。

鳥取県は5月、全国健康保険協会(協会けんぽ)鳥取支部と組み、社員の健康づくりに熱心な企業を表彰する制度を始めた。生活習慣病の予防健診や栄養指導を受けるたびに6~50のポイントを与え、成績の良い事業所を選ぶ。約330社が参加する。

参加企業のひとつ、社員約50人の大和建設(鳥取市)は社屋での全面禁煙に踏み切って7人が禁煙に成功した。生活習慣病予防健診の受診も徹底。担当者は「健康づくりはマンネリ化しやすいが、重要性を改めて認識できた」と強調する。

16万人が加入する東京都職員共済組合は、疾病予防サービスを手掛ける企業に依頼。08年度からポイントを健康関連グッズなどに代えられるサービスを始めた。11年度までの3年間で、特定健康診査(メタボ健診)の特定保健指導の対象者は2.6%減った。「今後もチームでポイントを競うなど新たな取り組みを考えたい」(健康増進課)。

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