住民の皆さん、健康に関心持って 知恵絞る自治体

■大学・民間タッグ

ただ取り組みの大半は予算の制約などから規模が小さく、十分な評価もできていないことが多い。筑波大の久野譜也教授らの調査では、健康づくりに無関心な層は成人の約7割。同教授は「ただニンジンをぶら下げるのではなく、仕掛けを作り、効果をしっかり検証することが必要」とする。

筑波大やみずほ銀行、岡山市など全国の6自治体などは国の委託を受けて、年内から健康プログラムに参加した市民に商品券などと交換できる「健幸ポイント」を付与する実証事業を始める。対象は40歳以上で、1万人以上の参加が目標。プログラムには、ボランティアなどを含め約150ものメニューをそろえた。

久野教授は実証事業の意義を「カフェテリアのように、社会保障制度のサービスを自由に選べる仕組みに変えていく挑戦」と強調。「無関心層全体のうち3割の人の背中をうまく押すことができれば、持続可能な事業として成立する道筋が描ける」としている。

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メタボ健診まだ途上 国が力入れるが… 受診率46%目標遠く 「医療費削減」検証へ

日常的な健康づくりのため、国が力を入れているのが特定健康診査(メタボ健診)だ。厚生労働省によると、2012年度の受診率は46.2%。前年度に比べ1.5ポイント増えているものの、目標(17年度に70%)達成にはなお隔たりがある。

メタボ健診は40~74歳が対象。男性では腹囲85センチメートル以上で、血圧や血糖などの値が基準を上回るとメタボリック症候群と判定する。メタボと判定され、保健師などが生活習慣の改善を促す特定保健指導の対象となったのは432万人だった。

厚労省が12年に公表した統計によると、メタボの人はそうでない人より年8万~12万円も医療費が高い。政府は今年度予算で、特定健診に関する自治体などへの助成金約226億円を計上した。

厚労省はメタボ対策などの生活習慣病予防により、25年度までに医療費を約2兆4千億円圧縮する目標を掲げている。ただ、メタボ診断が医療費を抑制できるという明確な根拠はないとの指摘もある。同省は今後、過去のデータを分析し、どれだけ削減効果があったかを検証する方針だ。

(江口博文、平野慎太郎、近藤佳宜)

[日本経済新聞夕刊2014年11月20日付]

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