「最近クリニックに来る冷え症の患者さんの多くは冷えのぼせですね」。内科医で漢方専門医の目黒西口クリニック(東京都品川区)院長の南雲久美子さんは話す。冷えと同様に筋肉量の少ない女性に目立つという。
冷えのぼせの人は軽い運動の後などでも上半身が熱くなり汗がどっと出るといった傾向がある。左に冷えのぼせかどうかのチェックリストを掲載したので参考にしてほしい。ほかにも、何もしていない時や、明け方目が覚めた時に大汗をかいているといったことが一般的な冷え症の人よりもはっきりみられる。
南雲さんが協力し、医療関連機器販売のピップ(大阪市中央区)が6月、20歳~59歳までの女性1万人(東京都、大阪府、愛知県に在住)を対象に冷えのぼせについて調査した。それによると全体の63.6%の人が普段体の冷えを感じると回答し、うち冷えのぼせが疑われる人の割合はその約半分だった。
■血行悪化が一因
冷えのぼせを起こすメカニズムは以下のように考えられている。最初は体を冷やすことで起こる一般的な血行不良型の冷えから始まる。血行不良の状態が続くと、代謝がうまくいかず静脈やリンパ管の流れが滞り体の末端がむくんでくる。
血行が悪くなり、冷えが進むと交感神経と副交感神経は体温を一定に保とうとして通常より頻繁に働こうとしてバランスが崩れてくる。体は本能的に頭部の温度は下げないようにするため冷えのぼせが起きやすくなる。
ピップの調査では冷えのぼせとみられる人は各年代とも5割前後あった。特に50歳代が56.8%と最も比率が高かった。50歳代は更年期症状が出やすくホルモンバランスが崩れる人が多い。
次いで目立ったのは20歳代の53.7%。若い世代は小さい頃からエアコンがある環境に慣れ、運動不足のうえに肌が出るファッションも一般的なためかもしれない。