ライフコラム

エコノ探偵団

スマホ時代、オフィスの役割は

2014/10/29 日本経済新聞 朝刊

「最近はスマートフォンさえあれば、喫茶店でも仕事ができて便利です」。知り合いの営業マンの話を聞いて、探偵の松田章司は興味を持った。「じゃあ、近い将来、オフィスは必要なくなるのかな」。疑問を抱いた章司は、街に飛び出した。

■アイデア生む 交流の場に

章司はまず、最新のオフィスを見ようと、今年6月に開業した虎ノ門ヒルズを訪ねた。先月移転してきたという米医薬品バクスターの広報、林ホルム由実子さんは「移転をきっかけに、全員にスマートフォンを配布し、フリーアドレスにしました」。フリーアドレスとは、自席が決まっておらず、オフィス内で業務する場所を選べる仕組み。スマホがあればどこにいても通話やメールを使って情報共有ができる。「前のオフィスで足りなかった2~3人で打ち合わせをするスペースや集中して作業をする場所をフロアの様々な場所に作りました」

「当社は営業で外出する人が多いので、そもそも全員分の席がありません」。再び街に出た章司に、日本マイクロソフトのテクノロジーセンター長、沢円さん(45)が声をかけた。同社は2011年に品川に本社を移転。面積は3割増えたが、会議室などを増やし、執務スペースは削減。「フリーアドレスだと荷物を置かなくなり、必要な資料はデータ化するので、ものを探す時間やミスも減ります」と沢さん。社員はどこからでも映像付きで連絡や遠隔会議ができる。在宅勤務や直行直帰で無駄が減り、顧客にかける時間を増やせるようになったことなどで、1人当たり売上高は17%増えたという。

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