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レディーファーストのマナー 臨機応変に対応

2014/10/30 日本経済新聞 夕刊

グローバル化が進む中、欧米などの外国人と接するときのマナーとして心得ておきたいのがレディーファーストだ。日本人の間でも、男女のコミュニケーションをよくする潤滑油となる。移動中やレストランに入る際など場面ごとにどう振る舞ったらよいのか、知っておきたい。

アパレルメーカーに勤める川上直也さん(仮名、24)は、来日した取引先の英国人たちと食事を済ませて別れた後、先輩の女性社員から「もうちょっと国際マナーを学んだ方がいい」とたしなめられた。

■国内で機会少なく

取引先の一行5人の中には女性が3人いた。先輩から「失礼のないように」と言われていたのだが「随所でNGを出してしまった」からだ。まずあいさつの際、一部の女性に、こちらから手を差し出して握手を求めた。本来は女性から手を差し伸べられるのを待つべきだという。

レストランに入ったときも一行を案内するつもりで自分が先頭に立って店員の案内を受け、席まで進んだ。これは女性が先に進み、男性はその後に続くのが望ましい場面だった。

店を出て下りエスカレーターに乗る際も「お先にどうぞ」と女性を先に乗せようとした。下りの場合は女性が倒れても男性が下から支えられるように、男性が先に乗るのが礼儀だという。「ある程度、レディーファーストの勉強をしていたつもりだが、瞬時に必要な動きが出てこなかった」と悔やむ。

日本では、語学の習得に熱心なグローバル人材の予備軍の間でもレディーファーストを苦手とする人は少なくない。国内で暮らしているとレディーファーストを学ぶ機会が少なく、いざという場面でなかなかスムーズにはできないようだ。

国内外で国際マナーを教えるキャリアコンサルタントの堺真理子さんによれば、欧米の伝統的な国際マナーには(1)互いの序列を尊重する(2)互いの国の習慣を大切にする(3)女性を尊重する、などのポイントがある。日本はこれらのマナーを明治時代に積極的に取り入れた時期があったが、レディーファーストの精神は根付いたとは言いがたい。

グローバル化に対応してレディーファーストを習得するためには、まず表にあるような自然な身のこなしを知っておきたい。女性を優先するとともに、下りのエスカレーターや車道のように危険が潜む場面では女性を守るというのが基本的な考え方だ。女性は遠慮せず、自然な笑顔でスマートに応じたい。

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