変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

東洋紡の主力製品の1つであるフィルムの販売が好調だ。海外工業フィルム営業部の森田雄一朗さん(36)は、2007年の入社以来、工業用フィルムの営業一筋14年のベテランだ。世界中の液晶テレビや大型モニターに使われる「コスモシャインSRF」を担当する。取引先の小さな変化も見逃さない観察眼を武器に、看板商品の販売という重責を担っている。

コスモシャインSRFは、液晶ディスプレーの偏光子の保護などに使われるポリエステルフィルムだ。液晶テレビや大型のモニター、ノートパソコンなどに使われる。21年3月期は製品売上高を3割伸ばし、東洋紡の工業用フィルムの中でも稼ぎ頭だ。かつて液晶ディスプレーで多く使われていた別素材のフィルムに比べて色むらが少なく、吸湿性が低いために変形しにくい特長も備える。

森田さんが営業現場で心がけるのは、取引先の小さな変化をキャッチすることだ。なぜ商談の時にあんな雑談をしたのか、今日はいつもと少し違う表情が多かったなど相手の言動の背景をよく考える。営業スキルとして身につけたのではなく「昔からのくせで気になるんです」と笑う。

ふとした会話に本音

取引先の中には、他社製品への不満や東洋紡への要望をストレートには言わない人もいる。「ちなみに東洋紡さんはどうなんですか」などと雑談の中で遠回しに尋ねてきたら、そこに潜む相手のニーズをくみ取る。

若手で汎用フィルムの担当だった時、ふとした会話から取引先がフィルムのロールの長さに不満を持っていることに気づいた。取引先の生産効率を高める利点もあり、より長いロールの製品を提案して採用につなげた。

新型コロナウイルス禍で海外の取引先と直接会ってコミュニケーションをとることは難しくなった。言葉の壁に加えて、オンライン上の商談で相手の本音はなかなか見えてこない。それでも現地の代理店と協力しながら、変化に目をこらす。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック