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「血糖負債」たまると認知症・がん招く 軽度でも注意

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NIKKEI STYLE

健康診断や人間ドックで検査した血糖レベルに明確な異常がなくても安心するのは早い。血糖レベルが比較的高い状態を放置すると、糖尿病はもちろん認知症やがん、フレイル(虚弱)などのリスクが高まることが分かってきた。専門家は高血糖によるリスクの蓄積を「血糖負債」と呼び、健康なうちに検査値に注意を払うよう呼び掛けている。

順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京・文京)の糖尿病・内分泌内科を今年受診した50代半ばの経営者のAさん。綿田裕孝教授が診察すると、腎臓機能の低下によるたんぱく尿や網膜症など糖尿病の合併症状が確認された。

綿田教授はAさんに「腎臓の状態がよくないので、いずれ透析治療になるかもしれません。それまでの期間をできるだけ延ばせるよう頑張りましょう」と告げ、治療方針を説明した。

Aさんは30歳代の終わりころから血糖レベルが高めだと言われていた。だが治療を要するレベルではなく、仕事も忙しかったので特に気にかけていなかったという。最近は仕事も落ち着いたので一度きちんと診てもらおうと病院に行ったところ、想像以上に症状が進んでいたというわけだ。

「Aさんのように、もっと早い段階で来院してくれていれば、というケースは本当に多い」と綿田教授。糖尿病は高血糖が長く続くことで血管が傷んで、体の様々な場所に障害が出る。日本生活習慣病予防協会では高血糖が継続して体への悪影響が蓄積することを「血糖負債」とネーミングして注意喚起を始めた。

高血糖の影響は、糖尿病にとどまらないことも近年分かってきた。例えばがん。糖尿病患者のがんのリスクはそうでない人と比べて約2割高いとされるが、糖尿病に至らない軽度の高血糖状態でも、がんによる死亡リスクが高いことが、日本人を対象とした研究で判明した。

また、軽度の高血糖状態が認知症のリスクを高めるという知見も増えている。認知症の中でも脳血管性認知症は高血糖によって脳の血管が老化するとされる。アルツハイマー病のリスクが高くなる理由はよくわかっていないが、高血糖による酸化ストレスが影響しているとの見方がある。

 どうすれば血糖負債の蓄積を防げるのか。綿田教授ら専門医は定期健診の血糖の検査値の一つである「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」を活用してほしいという。通常の血糖値は空腹時や運動後に下がるなど変動が大きいが、HbA1cからは過去1~2カ月の平均的な血糖レベルがわかる。

HbA1cの単位はパーセントで、健康状態の判定区分は「異常なし」(5.5%以下)、「軽度異常」(5.6~5.9%)、「要経過観察」(6.0~6.4%)、「要医療」(6.5%以上)の4段階。要経過観察や軽度異常のレベルでは糖尿病の合併症は起こりにくいが、血糖負債が徐々にたまっている状態と考えていいという。

これらに該当する数値だった場合、食生活に気を付けたり、日常の運動を心がけるなど、血糖レベルを下げる生活に切り替えることが重要だ。「HbA1cの値を正常域に近づけることで健康障害が起きにくい状態を保つことができる」(綿田教授)という。

HbA1cが分かるのは通常だと年1回程度の健康診断や人間ドックの時くらいなので、自分の体を定期モニターするには間隔が長い気もする。だが綿田教授は「血糖負債を減らすのは年単位の長期的な取り組みになる。1年に1回くらいの頻度でモニターしても問題はない」という。また、直近の数値をすぐに知りたい場合は、血液検査がその場でできる薬局や郵送の血液検査キットの利用も選択肢になるという。

◇  ◇  ◇

生活習慣見直しに血液検査

日本生活習慣病予防協会は、新型コロナウイルス感染症流行に伴う生活変化によって、生活習慣病のリスクがどう変化したのかを探るため、全国の一般生活者3000人、医師100人を対象に3月時点で調査を行った。

健康診断や人間ドックの検査結果を把握する立場にある医師に「健康診断・人間ドックを受診した患者で数値が悪化した検査項目」を聞いたところ、最も多かったのは「HbA1c」と肥満度を表す「BMI」で、いずれも55%だった。「中性脂肪」(54%)、「血糖値」(51%)が続いた。

一般生活者に「最もかかりたくない生活習慣病」を聞いたところ、トップは糖尿病の42.6%だった。HbA1cについて知っている人は36.8%にとどまった。同協会は「自身の生活習慣見直しの指標としてもHbA1cの一般への知識普及を進めたい」という。

(編集委員 吉川和輝)

[日本経済新聞夕刊2021年9月15日付]

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