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ほさか・まさき 1987年東大法卒、89年入所。95年ハーバード大ロースクール修了。2011~21年事務所の執行パートナー、21年4月から現職。

ほさか・まさき 1987年東大法卒、89年入所。95年ハーバード大ロースクール修了。2011~21年事務所の執行パートナー、21年4月から現職。

不惑(40歳)を目前に手に取った本で、読書に目覚めた。

弁護士として、製薬会社や通信会社の再編などM&A(合併・買収)案件を次々手掛けていました。大学受験、司法試験を経て、結婚。大手法律事務所に入所し、パートナーになった。息子達も大きくなり、家も建てた。おのずから設定された目標を満たすことにまい進してきたなかで、一定程度の達成感が得られたのがこの時期でした。一方、まだ道のりも長い。ふと、これからどのように生きていけばよいのか、目標が見えなくなっていました。

私は何でも自分で決めてきた気がします。その基盤となる自由を求める気持ちが強い。弁護士という自由業を選んだのもそれが理由です。すべて自分でデザインしてきたつもりだったのに、急に次の一手が見えなくなった。五木寛之の『大河の一滴』は、そんな私の背中を「ふたたびそこからはじめるしかない」と、押してくれました。

みんな同じような悩みを抱えつつ生きている。日々一生懸命やるしかない。そうすればまた先が見えてくる。人生はその繰り返し。本のメッセージは、私の気持ちを軽くしてくれました。40歳を迎える心の準備ができるとともに、読書から得られるものの有意義さ、面白さに目覚めました。

 2011年に西村あさひの執行パートナーになり、21年4月からは経営会議議長を務める。実務の傍ら日本最大規模の法律事務所の運営にも深く関わるようになった。

執行パートナーは事務所を対外的に代表する役です。経営会議は主だった数十人のパートナーが参加し事務所運営を決議します。議長はその議事進行係です。当事務所では、重要事項をいきなり多数決で決めたりはしません。そもそも組合組織なので、株式会社とは統治形態も違います。日々の案件は個々のパートナーが主体となるなか、リーダーシップのあり方、集団の意識や行動について考えるようになりました。

トルストイの『戦争と平和』を読んだのは執行パートナーになって7年目の頃。文庫本6冊の長編で登場人物も多く、1冊目の途中で挫折すること3回。4回目の挑戦でようやく読破できました。やっとたどり着いた最後のエピローグ第2編に興奮、我が意を得たり、と思いました。

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