■入社以来の悲願が結実する。

78年の入社以来、私は1つの構想を持っていました。1枚ずつウエハー(基板)を処理する「枚葉式」技術の導入です。当時は一度に数百枚を処理する「バッチ式」が主流でした。

枚様式は1枚を高速で処理するため、最終的に歩留まりなど製造過程のデータを数十倍得られます。それを基に技術革新を数十倍に加速できるはず。41歳で副部長に就き、この構想の実現に動き始めます。

ちょうど、ウエハーの大口径化が模索され始めた時期です。大口径ウエハーを枚葉式で全工程を高速処理する新たなラインを研究しました。かつて私を課長に引き上げた上司、小切間正彦さんらの応援もあって着実に前進していきました。

最後の壁は工場を建てる資金。パートナー企業探しに世界中を駆け回り、興味を示したのが台湾のUMC(聯華電子)でした。UMCの会長を前に説明を始めるとすぐに「よし、やろう」と手を握ってくれました。日立とUMCの共同出資会社は2000年、世界で初めて300ミリウエハーの半導体試作にこぎつけ量産へ進みました。

あのころ……

1990年代、半導体業界で日本の電機メーカーは苦戦を強いられた。パソコンの普及で米インテルが台頭。韓国・台湾勢も存在感を増す。日本勢は2000年代に再編、集約期に入る。日立製作所とUMCの工場は現在のルネサスエレクトロニクスに引き継がれていく。

[日本経済新聞朝刊 2021年9月1日付]


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