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記憶突然消える一過性全健忘 24時間以内に大半が回復

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NIKKEI STYLE

突然、少し前の出来事が思い出せなくなる。自分が何をしているか覚えていられない。こうした状態は一過性全健忘と呼ばれ、中高年を中心に起こることがある。「認知症の始まり?」などと慌ててしまうが、通常は一時的でそれほどかからず回復する。ただ健忘は他の病気から起きる場合も。特徴を知っておきたい。

「けさ、僕は洗車したっけ?」。東京都内で暮らす男性(75)が当日の行動を覚えていないことに妻は驚いた。話したはずの次週の予定も「聞いていない」。妻は「知らない間に頭を打ったのか、それとも認知症の初期症状なのかと心配になった」と振り返る。

その後、インターネットで情報収集。脳神経内科を受診して脳波などを調べてもらった結果、男性は一過性全健忘と診断された。その翌日には回復。新たに記憶もできるようになったが、発症中のことは今でも思い出せないという。

突然起こる一過性全健忘は自分のしていることや状況を新たに記憶できない「前向性健忘」が主な症状。発症する少し前の出来事を思い出せない「逆行性健忘」もある。ただ自分が何者か、どこに住んでいるかといった記憶は失われず、家族の存在や周囲にいる人が誰かも認識できる。

例えば車の運転中に発症すると、家までの道順は分かるが、なぜその場所にいるのか分からない。神津内科クリニック(東京・世田谷)院長の神津仁さんは「ゴルフ中に発症したとみられる男性が車で帰宅後、家族に『ゴルフをしたのを思い出せない』と言って慌てさせた例がある」と話す。

神津さんは神経内科医として一過性全健忘の患者を数多く診察してきた。患者は自分の置かれている状況が分からず、周囲に「私は何をしていたの?」といった質問を不安そうに繰り返す例が多いという。病院に連れて行かれても、なぜ病院にいるか理解できず、混乱することがある。

神津さんによると、ドイツでの研究で年間発症率は10万人当たり3~8人程度とされているという。中高年に多い。24時間以内に回復するケースが大半で、再発はまれだ。

 診断は磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)の検査、脳波検査などで他の病気を除外していく。はしぐち脳神経クリニック(福岡市)院長の橋口公章さんは「一部の患者では発症から1~3日経過して海馬に小さな脳梗塞類似の病変を認めることがあるが、後に消失する」と指摘する。

ただ一過性ということもあって脳内の異常を捉えるのは難しく、原因や仕組みは明確でないところがある。神津さんは「米国の研究などによると、静脈うっ滞(血流の停滞)で脳の海馬の一部が機能不全になり、一時的な健忘を引き起こすのではないかと言われている」と説明する。

静脈うっ滞は激しいスポーツや入浴、精神的なショックなどで起こると指摘される。ほかに片頭痛がある人は発症リスクが高いといわれている。生活習慣病との関連は今のところわかっていない。

ただし健忘の症状を伴う別の病気の可能性はある。てんかんの発作が原因となるほか、低血糖や薬剤の副作用、アルコールがきっかけの健忘もある。不整脈の一種で脈が遅くなる徐脈で記憶に影響が出ることもある。早急に治療が必要な脳梗塞、くも膜下出血、脳炎などで健忘が出る例もある。自己診断で済まさず、脳神経内科などを受診したい。

◇  ◇  ◇

認知症の初期症状と違いも

少し前の記憶がなくなり、周囲に何度も尋ねる一過性全健忘。家族は認知症を心配するかもしれないが、認知症専門医で土岐内科クリニック(岐阜県土岐市)運営法人理事長の長谷川嘉哉さんは「認知症の初期症状と一過性全健忘の症状は異なる」と語る。

認知機能の低下は待つのが難しい、怒りなど感情を自制できないといった初期症状がみられる例が多い。物忘れもあるが、一定期間の記憶を失うというよりは「洗濯物をいつもと違うところにしまうなど『ちょっと変』な行動が目につくことが多い」と指摘する。

認知症の症状は健忘のほか、暗算ができない、物をなくす、物事を段取りよく進められなくなる、論理的に考えられなくなる、などが挙げられる。長谷川さんは「認知症の一歩手前の軽度認知障害の段階で薬物治療や脳のリハビリをすると、進行を遅らせることができる可能性もある」と説明する。

(砂山絵理子)

[日本経済新聞夕刊2021年8月25日付]

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