ドイツBASFの女性管理職登用 対話重ねて長期育成

2021/8/23

日本同様、性別による役割分担意識が根強いドイツ。先進国では経済分野の女性活躍で後れをとっていた。だが2016年にクオータ制を導入するなどここ数年、管理職への登用で前進が目立つ。一例が化学大手のBASFだ。上司らとの対話を中心とする育成策で、着実に女性管理職比率を高めている。その取り組みは日本企業の参考になる。

対話を重ねて女性の活躍を後押しする(東京都内のBASFジャパン)

3階層で面談 キャリア描きやすく

「この先、どんな仕事をしていきたい?」

「リーダーとして人を束ねることに挑戦したいです」

全世界に拠点を抱える独BASF。各地で定期的に女性社員と上司・先輩との間でこうした会話が交わされる。

「サクセッション・プランニング」と呼ばれる女性管理職育成の取り組みの一環だ。優秀な女性を早期に発掘し「○年以内にこの役職に引き上げるためには、こういった経験を積ませなければいけない」というシナリオを会社が作成する。その上で長期的な育成プランをたてるものだ。

BASFではこの取り組みを積極的に進めている。カギとなるのが対話だ。身近な先輩、直属の上司、エリア代表と3階層にわたる人材が女性社員と定期的に面談し、それぞれの立場に合わせたアドバイスをしたり、相談を受けたりする。「女性社員が今のポジションの『次のステップ』を描きやすくすることが狙い」と、アジア太平洋地域プレジデント、カローラ・リヒターさんは説明する。

さらに自分の得意・不得意分野などを棚卸しするためのツールとして、13ページに及ぶワークシートを社員らに配布。進みたいキャリアを自ら洗い出せるようにしている。

BASFは1865年創業の化学メーカーの老舗。自動車向けのプラスチック原料など幅広い化学品を開発する。全世界で11万人超(2020年末時点)の社員のうち、25.5%が女性だ。

日本同様、ドイツでも理系の世界は女性が少ないとされるが、女性管理職の比率は20年末で24.3%にのぼる。13年末時点では18.5%だったが、毎年比率を高め「21年までに22~24%」との目標を19年末に達成した。革新的なアイデアは異なる視点から生まれる、との考えから、30年までに全世界で30%を目指す。

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産後の職場復帰がカギ 「キャリアを明確に示せなけれ