――よく資金が集まりましたね。

「規模を限定して始めたサマースクールが好評で賛同者が増え、寄付してくれそうな人を多数紹介してもらって訪問の約束を取り付けました。しかし今度は東日本大震災が起き、約束は全部キャンセルです」

「ところが震災時に日本から出てくる情報の質やリーダー層の判断に疑問符がつき、われわれの活動に注目が集まります。それから半年で10億円近くが集まりました」

――賛同者には立石文雄・オムロン会長、グリー共同創業者の山岸広太郎氏など著名人も多いです。

「『変革を起こすチェンジメーカーを育てる』という目標にひかれたのでしょう。このままだと日本はまずいと感じていたところにたまたま私が担い手として現れたのだと思います」

――コロナ禍でもチェンジは続けますか。

「昨年は『ISAKx』というオンライン講座を開始し世界中から受講生が集まりました。今年9月には定員120人で再び開きます。今後も想像ができないようなことが何年かに一度は起こることを前提にしていくしかありません。そのたびに萎縮するのでなく、できることを考え、真剣に向き合うことでしか未来は開けないと思っています」

(編集委員 宮内禎一)

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健康維持を最優先

健康維持のためヨガ、ピラティス、鍼灸(しんきゅう)のスケジュールを先に埋める。早寝早起きを心掛け、家族が起きる午前6時ごろまでにメールの返事などは済ます。「夜はエンドレスになりますが、朝はメールも短く効率的です」

夏は登山やハイキング、冬はスキーへ家族と出かけるのを楽しみにしている。「つらいことがあっても雄大な山に入ると、自分はちっぽけだと思います。お天道様が上って沈むなかで、私たちの営みがあると実感できるのです」

こばやし・りん 1974年東京都生まれ。東京大経済学部卒、モルガン・スタンレー入社。国連児童基金(ユニセフ)などを経て、2014年に谷家衛氏と一緒にISAKを立ち上げた。

[日本経済新聞夕刊 2021年8月19日付]

(上)チェンジメーカー育成へ リーダーには3つの力必要

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