逃げない姿勢を周囲に示す

「ラクーンには単月黒字が出るまで3年いました。創業社長の小方功さんは赤字続きでも絶対にあきらめません。流通を一気通貫にするうえでなぜラクーンが必要なのか、熱のこもったブログを書いていて、この人は逃げないと思った。起業するなら小方さんのように逃げないリーダーになろうと肝に銘じました」

――子どものころからリーダーでしたか。

「言いたいことを言って生意気だったからか小学校ではいじめられ、先生からも疎まれていたようです。挫折しては起き上がることを繰り返す中で、自分で道を切り開く癖がついたのでしょう。アクションを起こせばもう少しいい未来が待っているかもしれないと」

――高校1年の時にカナダのUWCを受験し、2年生から留学したのも自分から道を開いたのですね。

「高校1年の1学期の期末試験で数学が24点。他の教科はできているのに、日本の高校の先生から『数学を頑張らないと大学に行けない』と欠点を指摘されて反発しました」

――教育に目を向けたのはなぜですか。

「カナダの高校時代にメキシコの同級生の家に遊びに行ってスラムを訪れ、学校に行けない子どもたちを目の当たりにしました。彼らが教育を受け、自分の未来を決めていけるようにならないのか。憤りを覚えたのが17歳の夏です」

「遠回りはしましたが、32歳で国連児童基金(ユニセフ)のフィリピン事務所でストリートチルドレンの識字教育担当になります。高校時代の希望がようやくかなったのに、どうしても発展途上国の圧倒的な格差や汚職に目が向いてしまいます。貧困層教育は大事ですが、それだけでは社会の根幹は変わらない。政治家や起業家、文筆家など社会変革へアクションを起こせるリーダーを増やす教育が必要と思いました」

未来を開く変革人材を

――リーダー育成の学校を創るきっかけは。

「学校設立とは別のアイデアを持って投資家の谷家衛さん(現あすかホールディングス会長)に支援をお願いに行くと、奨学金も出してグローバルな人材を育成する学校を一緒に創ろうと誘われました。私が通っていたカナダのUWCの経験もあり賛成しました」

「しかしユニセフを辞めてきた3週間後ぐらいにリーマン・ショックが起きます。20億円ぐらい出せると話していた谷家さんも『まずは200万円で』と。大変なスタートでした」

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