他にも、担当するドラッグストアの店舗にアレジオンの売り上げを競ってもらい、売り上げの目標達成率が高かった店舗を表彰して景品を贈る企画も立ち上げた。通常、こうした販促は全国規模で展開するケースが多いが、西本さんは担当する東海エリアで今が商機とみて独自の企画を通した。

様々な施策が功を奏し、各地域のドラッグストアにおけるアレジオンの販売シェアは西本さんの担当する東海エリアが最も高くなった。上司に当たる天沼人チームマネジャーは「エスエス製薬の製品をアピールするだけでなく、競合メーカーも巻き込んでウィンウィンになる提案が非常によかった」と話す。

西本さんは製パン企業での経験も今に生かしている。前職で少しずつ営業に慣れてきた頃だ。スーパーマーケットの店長から突然、電話がかかってきた。試食販売の担当者が来ていないという。西本さんがパンコーナーの責任者と打ち合わせた際には、担当者を派遣せずに試食販売をすることで合意していた。しかし店長にまで、うまく伝わっていなかった。

売り場が困っている。言った、言わないを議論しても仕方がない。西本さんはスーパーまで1時間半の距離を急いで駆け付け、午後6時まで試食販売に立った。最後は店長と握手して帰路についた。ピンチをチャンスに変えられたが、「情報が関係各所、取引先の上司にも伝わっているか確認しておくべきだった」と教訓にしている。

買い手の気持ちを忘れないよう、様々なドラッグストアを回ることも欠かさない。どのような製品の陳列や宣伝が効果的か。食品や化粧品の棚も見て回り、応用できる販促のヒントを探す。

心がけているのは店舗などの問い合わせには即座に返事をすることだ。「この人に聞けば何か応えてくれる。そう思われる営業になりたい」。西本さんのアンテナは目標に向かって、高く広く張りだしている。

(茂野新太)

にしもと・あかり
製パン企業の営業を経て18年にエスエス製薬入社。営業部署で大阪市内のドラッグストアを担当。19年から大手ドラッグストアの東海と関西エリアを担当。19年度の社内成績優秀者として表彰。

[日経産業新聞 2021年8月17日付]


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