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森永製菓は今年5月、新たな企業理念を打ち出した。総合菓子メーカーから、心と体の健康を提供する「ウェルネスカンパニー」への変身を目指す。コロナ禍でストレスや不安を抱えることが増えるなか、太田栄二郎社長は「菓子が持つ情緒的な価値を解明し、心の健康を深掘りする」と意気込む。

新たな企業理念、「永続性」に重点

――5月に新たな企業理念を発表しました。どんな思いが込められていますか。

「2019年に9代目の社長に就任するに当たって、森永製菓が大切にしなければならないことを考えました。当社は120年の歴史の中で、いろいろな存続の危機を乗り越えてきた。その『永続性』こそ大切にすべきと考えました」

「創業者の森永太一郎は1800年代に米国に渡り、西洋菓子の製法を学んで、日本の人々に栄養価の高いお菓子を届けたいという夢を描いて創業しました。永続にはこの創業の精神に加え、その時代のお客様に選ばれ続けるための顧客視点とダイバーシティー、それを達成するための全員経営が大切です」

「また、当社の存在意義を考え、社員からも多くの意見をもらいました。そこで制定したのが『世界の人々の笑顔を未来につなぎます』というパーパス(使命)です。このパーパスを、全ての企業活動のよりどころにしようとしています」

――同時に2030年ビジョンを掲げた経営計画も発表しました。「ウェルネスカンパニー」に生まれ変わると宣言した狙いはなんでしょうか。

「当社の中期経営計画は3年の長さで、その先は語ってこなかったんです。業績が厳しく語れないという面もありました。しかし16年3月期に営業利益が100億円を超えて、その後200億円くらいまで来た。そこで社長就任の時に、今こそ中長期の計画を作ろうということになりました」

「『ウェルネスカンパニー』という文言には社員が1番びっくりしています。森永製菓は『総合菓子メーカー』だと思っていますから。心と体の健康をお客様と従業員に、環境の健康を社会に提供し続けることをウェルネスカンパニーと定義しました。ゼリー飲料を中心とした『in』ブランドや甘酒、高カカオのチョコレートなどの商品で体の健康に貢献していきます。一方で今回のポイントは心の健康です」

「もともと菓子には食べて幸せを感じるなどの情緒的な価値があります。コロナによってストレスや不安が増え、体だけでなく心を含めたトータルの健康意識が高まっており、心の健康を打ち出すにはいいタイミングです。情緒的な価値を科学的なアプローチで解明していきます。22年に新しい研究所が稼働するので、外部とも共創しながら、心の健康を深掘りしていきます」

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