婦人靴ブランド「fitfit(フィットフィット)」では、アーチ構造にも配慮し外反母趾(ぼし)の人向けに独自設計した靴を販売している。

同社社員で足や靴の専門知識を持つ「シューフィッター」の菅野莉緒さんは「靴は多少足に合っていなくても履けるが、正しく選ばないと不調の原因になる」と注意を促す。

特に妊娠中や出産後は気を配ってほしいという。出産に際し骨盤などの骨格を緩めるホルモンが分泌されるため、足に合わない靴を履いているとアーチが崩れやすくなる。

菅野さんは「アーチを補強するインソール(足底板)や衝撃を吸収するゴム製の靴底を使ったものがおすすめ」と話す。

足の形状は人によって異なり、靴を探す際は実際に試着することが欠かせない。運動靴には足の甲がひもなどで固定され、かかと部分がぴったり合う靴が向いている。パンプスは「靴先が自身のつま先の形に合うものを選ぶと良い」という。

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コロナ下、歩行速度アップも

新型コロナウイルスは歩行にも影響を及ぼしている。外出機会の減少に伴い歩数が減った一方、歩行速度が上がり歩幅が長くなったという研究もある。足への負荷を考慮し、状態に応じた運動を心がけることが大切だ。

東京都健康長寿医療センターなどはスマートフォンの歩行速度計測アプリを利用した約3900人のデータを分析した。

この結果、2020年3~6月の1週間の平均歩数は約3400歩で、19年同期と比べ23%減少。歩行速度は毎秒0.02メートル速くなり、歩幅は0.7センチ長くなっていたという。

同センターの大渕修一研究部長は「活動量の減少を補おうとして、速度や歩幅が増した可能性がある」とみる。健康維持で負荷を上げるのは効果的としたうえで、「体の状態に応じ強度を調整したり、ストレッチしたりといった工夫が必要」と指摘する。

(武沙佑美)

[日本経済新聞夕刊2021年8月11日付]

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