やせても改善しなかったり、肥満体質でなかったりする場合は、クロミフェンなどの排卵誘発剤を内服したり、卵胞刺激ホルモン(FSH)製剤などの注射剤を使ったりする。また、血中にインスリンが多い人には糖尿病薬「メトホルミン」を投与する。

妊娠を希望しない場合、定期的に低用量ピルなどを服用し、月経のタイミングをコントロールすることで改善することが多い。

インスリンの状態を原因としてPCOSに悩んでいる人は、糖尿病リスクも上がるといわれている。PCOSの人は高血圧などの生活習慣病にもなりやすいといわれており、定期的な受診が大切だ。

◇  ◇  ◇

検査で陰性「安心する」

PCOSの名前を知ったことが受診のきっかけにつながった事例もある。東京都在住のNさん(25歳)は月経周期が平均50日と長い。6月に知人からPCOSという病名や特徴を聞き、自分に当てはまるかもしれないと婦人科クリニックで検査を受けた。超音波検査と血液検査を受けて1週間後に結果を受け取り、陰性だった。

実際にクリニックに足を運んでみて「安心した」と振り返るも、「それまでは受診の発想がなかった」と話す。Nさんの場合、クリニックの医師から痩せ型であるために月経不順が生じており、適正体重にするようアドバイスを受けたという。NさんはPCOSを疑ってインターネットで検索した経験から「月経周期が何日を超えたら受診したらいいかなどの基準が分かれば、もっと受診しやすい」と感想を話す。

(茂野新太)

[日本経済新聞夕刊2021年8月4日付]