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不妊リスク高める多嚢胞性卵巣症候群 肥満体質は注意

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NIKKEI STYLE

女性の排卵が起こらなくなり、不妊の原因の一つとなる多嚢(のう)胞性卵巣症候群(PCOS)に悩む女性が目立ってきている。晩婚や晩産化が進む中で医療機関で検査するきっかけが生まれにくいためだ。気づかずに放置すると子宮体がんなどにつながる可能性もある。早めの発見、治療が重要だ。

静岡県三島市に住む鈴木南さん(仮名・33歳)は数年前、妊娠を考えてかかりつけの婦人科クリニックに相談したところPCOSと診断された。

鈴木さんは20代前半から子宮の内側の粘膜に似た組織が子宮の外で増える子宮内膜症に悩まされ、低用量ピルで管理してきた。月経周期は45日前後と長かった。PCOSとわかったとき「もう一つ疾患があったのか」とショックを受けた。

鈴木さんは妊娠を決意するまでPCOSの名前を知らなかったという。その後、不妊治療クリニックに通院、低用量ピルの服用を止めて運動療法などを実践。3カ月後に無事妊娠した。

日本産科婦人科学会などによると、PCOSは20~40代の女性の5~8%に見られる疾患だ。卵巣で局所的に男性ホルモンが増えることなどで卵子を包む卵胞と呼ばれる袋状の組織が、成長を止め、排卵が起こらなくなる。原因は明確ではないが遺伝や体質によることが多いといわれる。

月経周期が長くなりやすいが、逆に楽と感じる人もいるためか、自身がPCOSだと気づきづらい。

さらに、近年の晩婚・晩産化が気づきにくさを加速させている。聖路加国際病院(東京・中央)女性総合診療部の百枝幹雄部長は「20代前半で妊娠を希望する人で妊娠しづらい場合は、PCOSを発見し早期に対処できた」と話す。だが妊娠を希望する時期が遅くなり、PCOSが重症化するまで気づかないケースが増えているという。「(結果的に)不妊リスクが高まる」と警鐘を鳴らす。

気づくポイントは月経周期が長いことだ。聖マリアンナ医科大学の洞下由記講師は「月経が2~3カ月かそれ以上空く場合、病院を受診するとよい」と説明する。また、基礎体温は、PCOSの場合上昇しない。

思い当たれば検査のために産婦人科を受診しよう。卵巣の超音波検査と血液検査を受けるのが一般的だ。超音波検査では卵巣を撮影し、卵巣内に成長しない卵胞がたまった状態であるか確認する。さらに血液検査でホルモンの異常の有無を調べた上で、診断する。

PCOSと診断された場合の治療は、妊娠希望の有無で異なる。洞下講師は「PCOSと診断されても適切な治療により妊娠は可能」と話す。

妊娠を希望する場合、まず、肥満状態であるかどうかがカギだ。肥満の人は血中にインスリンが多く男性ホルモンが過剰になり、PCOSを発症しやすくなるためだ。やせることでインスリンの状態を改善できる。このためまずは運動で減量するのが大事だという。洞下講師は「肥満体質の人は体重を5%落とすだけでも改善することが多い」と目安を指摘する。

 やせても改善しなかったり、肥満体質でなかったりする場合は、クロミフェンなどの排卵誘発剤を内服したり、卵胞刺激ホルモン(FSH)製剤などの注射剤を使ったりする。また、血中にインスリンが多い人には糖尿病薬「メトホルミン」を投与する。

妊娠を希望しない場合、定期的に低用量ピルなどを服用し、月経のタイミングをコントロールすることで改善することが多い。

インスリンの状態を原因としてPCOSに悩んでいる人は、糖尿病リスクも上がるといわれている。PCOSの人は高血圧などの生活習慣病にもなりやすいといわれており、定期的な受診が大切だ。

◇  ◇  ◇

検査で陰性「安心する」

PCOSの名前を知ったことが受診のきっかけにつながった事例もある。東京都在住のNさん(25歳)は月経周期が平均50日と長い。6月に知人からPCOSという病名や特徴を聞き、自分に当てはまるかもしれないと婦人科クリニックで検査を受けた。超音波検査と血液検査を受けて1週間後に結果を受け取り、陰性だった。

実際にクリニックに足を運んでみて「安心した」と振り返るも、「それまでは受診の発想がなかった」と話す。Nさんの場合、クリニックの医師から痩せ型であるために月経不順が生じており、適正体重にするようアドバイスを受けたという。NさんはPCOSを疑ってインターネットで検索した経験から「月経周期が何日を超えたら受診したらいいかなどの基準が分かれば、もっと受診しやすい」と感想を話す。

(茂野新太)

[日本経済新聞夕刊2021年8月4日付]

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