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新型コロナウイルス禍でも株高などを背景に、輸入車販売が好調だ。2021年1~6月の登録台数は前年同期比で35.5%伸び、コロナ前の19年水準を上回った。独BMWの日本法人の正規ディーラー、名鉄AUTOの多治見店(岐阜県多治見市)に勤務する河田哲也セールスマネージャーは好調な業界の中でも目立った営業成績を上げる。原動力は徹底した行動量だ。

河田氏は07年に全国の営業担当で販売台数トップになり、以降も繰り返し首位を獲得している。社内では年間36台が販売の目安だが、1~6月には計150台と突出した成績をたたき出した。21年年間でも300台という桁外れな販売を目指す。

今でこそトップセールスを誇るが、そのキャリアは挫折から始まった。大学時代に車好きの知人に影響され、アルバイトで稼いだお金でBMWの中古車を購入した。BMWに親近感を抱き、03年に名鉄AUTOに入社した。

だが、1年目は仕事に身が入らず、売れたのは7台だけ。岐阜市内の店舗でさじを投げられ、現在の店舗に異動が決まった。異動直後、意気消沈したままの河田氏は店長に呼び出された。「やめてもいいが、何かをやり遂げてからにしろ」。ハッと目覚め、とにかく目の前の仕事に向き合おうと決めた。

やり方は分からないが、まず「量」をこなそうと動き始めた。得意客はいないため、毎日100件以上の飛び込み営業をかけつつ、来店客との接点を重視した。自ら来店している時点で多少の購入意欲を持つ「見込み客」だ。

来店日の営業終了後、顧客の家を訪ねてお礼を伝えるようにした。拒否されなければ連日のように通い、車の魅力を話した。異動から3カ月後、活路は開けた。45日間通い続けた顧客が購入を決めてくれた。その月だけで4台が売れ、自信につながった。

足を運ぶなかで、顧客の見分け方もみえてきた。例えば夜に自宅を訪ねたとき、購入意欲の低い人は「迷惑だから帰ってくれ」と言うが、購入意欲のある客は「今日はもう遅いから帰ってくれ」と返す。それなら日中に改めて訪問すればいい。「お客様はヒントを出してくれている」。努力を積み重ねた結果、07年には122台の成約で初めて全国トップに立った。

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