米クラフトウイスキーで日本市場を開拓、アジアに挑む米KOVAL蒸留所の小嶋冬子さん(折れないキャリア)

2021/7/26

29歳にしてウイスキーの製造から販売、本場スコットランドでのパブの楽しみ方までを体得した。留学先で出合ったウイスキーに魅了され、今は米シカゴのKOVAL(コーヴァル)蒸留所の一員としてアジア市場を開拓中だ。大組織に属することなく、自分自身で経験を積み上げた約10年の軌跡は、新しいキャリアの築き方を教えてくれる。

こじま・ふゆこ 高校卒業後に音楽の道を志すも英語を勉強しようと大学に進学。3年から東京とシカゴを往復。

留学したスコットランドの大学近くにパブがあった。毎晩談笑する地元客に憧れ、店に通うようになった。ウイスキーを手にすると知り合いが増えていく。好きなギターと歌を披露すれば一気に距離が縮まる。「ウイスキーは、楽しい時間の象徴と感じた」

帰国すると“逆ホームシック”が待っていた。1年後に再訪すると、製造現場で働きたいとの思いが強くなる。

世界中の蒸留所など100カ所以上にメールした。唯一応じてくれたのがKOVAL蒸留所だ。13年前に創業し、オーガニックの原材料を使い、独自設計した蒸留器でクラフトウイスキーを製造する。KOVALは“先駆者”を意味するという。小嶋さんが採用されたのも「リスクを取って応募してきたから」だ。