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タイで全事業部を見る経験を積んだ(中央上、2010年の現地スタッフとの社員旅行)

次の異動もまた思いがけないタイミングで訪れました。2010年にインドシナ支配人兼タイ会社社長という肩書で、バンコクに赴任しました。タイには金融や食料、繊維、鉄鋼など全ての事業部の駐在員がいました。それまで化学品一筋でやってきたので、初めて伊藤忠全体を見渡すことができ、視野が一気に広がりました。

■アジアの拠点で首位を目指す。

予算達成のために全体を指揮する経験は面白く、良い勉強になりました。東京の本社は業界ごとの縦割り組織ですが、事業部を超えた横の連携が活発でした。当時はシンガポールの現地法人が売り上げでアジア首位でしたが、社員を鼓舞するため、アジアナンバーワンを目標に掲げました。

岡藤正広社長(当時)が視察に来たときのことです。タイでは個人向け金融事業が成長していました。出資先の株買い増しを本社から渋られていたので、移動中の車の中で直談判しました。事業内容などを説明したところ、「よし、買え」の一言。金融事業がけん引し業績は好転。利益は3倍になり、初めてアジアトップになりました。

■バンコク騒乱、洪水にも見舞われる。

赴任中、バンコク騒乱や洪水、クーデターに見舞われました。家の前を戦車が走る中、社員の安全確保に奔走しました。

タイ人社員や取引先とは壁をつくらないことを心がけました。通常は日本人社員で固まりがちですが、お昼を日本人と食べたことはありません。東日本大震災の際は多くの取引先が「伊藤忠に渡したい」と言って募金を持ってきてくださったのが印象的でした。

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