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生え抜き女性役員5人 取締役へのキャリアの軌跡

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NIKKEI STYLE

株主総会のピークを過ぎ、今年も複数の企業で女性役員が誕生した。女性活躍を追い風にここ数年増えつつあるが、内部登用で取締役に就く女性はまだわずかだ。今回昇格した生え抜き女性取締役は、どんなキャリアをたどってきたのか。経済界などが、2030年までに役員に占める女性比率30%の目標をかかげるなか、女性役員を増やすためのヒントを探る。

取引先と信頼関係築き「うちの担当に」

営業担当、支店長、常務執行役員……。あいおいニッセイ同和損害保険の一柳若菜さん(59)のキャリアは「女性初」づくしだ。そして今年、同社初の女性の社内取締役に就いた。「私もできたのだから、みんなもできる。後輩にそう言い続けてます」と話す。

1982年に大東京火災海上保険(現あいおいニッセイ同和損保)に一般職として入社した。総合職は男性のみ。女性は事務を担当し、結婚退職するのが当時の常識で「私もそのつもりだった」

転機は入社4年目。法人営業を担当する企業保険部に異動した。内勤事務だったが、次第に手続きなどについて取引先が一柳さんに直接問い合わせてくるように。信頼関係を築くと「うちの営業担当になってくれないか?」と請われた。前例がなく、恐る恐る上司に相談すると「やってみては」とあっさり承諾。女性初の営業担当になった。86年に男女雇用機会均等法が施行され、風向きが変わっていた。

責任は重くなったが仕事が楽しくなり、34歳で結婚したときには寿退社の夢を忘れていた。男性同期が入社5年前後で就く主任にたどり着くまで9年を要した。「将来を嘱望されていたわけでもなく、泥臭い現場たたき上げタイプ」と一柳さんは自身のキャリアを評する。

自ら手を挙げ、新領域との出合いたぐりよせる

チャンスは待っていても訪れるとは限らない。ときには自ら積極果敢に動くことがキャリアアップに通じる。

三井住友銀行の取締役工藤禎子さん(57)は87年に住友銀行(当時)に入社した。女性総合職1期生だ。「ずっと働くために何かのプロになりたい」。3年目に希望して支店勤務から国際業務部に異動した。そこでのプロジェクトファイナンスとの出合いがすべての原点だ。企業ではなく、事業単位で融資する。欧米の金融機関では一般的な業務だったが、日本の金融機関は当時手を付けていなかった。

サウジアラビアの石油化学コンビナートなど世界各国の巨大プロジェクトに携わった。膨大な資料を読み込み、泥まみれになりながら現地を視察し、リスクを見過ごさず、契約書にまとめる。専門知識と交渉能力が求められる。新領域ゆえに社内で常に先頭を走ってきた。「(職位が上がれば)判断と責任の重さは増すがチームで成し遂げたときの達成感は大きい」と話す。

 ホンダの取締役鈴木麻子さん(57)も自らチャンスをつかみとったタイプだ。87年に入社。発展途上国で仕事をしたいと希望していたが、途上国は生活のリスクが高いと考えられており「女性だから……」と実現しなかった。98年にタイの現地法人に赴任する社員を探していると聞きつけ、上司に「行きます」と直訴した。念願がかない、そこからベトナムやマレーシア、中国などアジアで10年以上も国際業務を担ってきた。

畑違いの分野への挑戦でキャリアアップ

取締役は管理職以上に秀でた実力を求められる。強みとなる専門分野を持ちつつ、異なる分野への挑戦でさらなる成長を遂げるケースもある。

大日本印刷の取締役宮間三奈子さん(59)はその一人。理工学部大学院修了のリケジョだ。研究職は結果がすべて。結婚、出産後も男女差を意識せずに働いてきた。経営層への足がかりは2014年に人材開発部長に就いたとき。畑違いの業務に戸惑いもあったが、「会社全体を見渡して各部門が必要とする採用活動に従事することとなり、事業構造や将来を意識する高い視座を持った」と振り返る。

JR東日本の常務取締役、伊藤敦子さん(54)は1990年入社。入社以来ほぼ一貫して財務畑を歩み、2020年6月に経営企画部長に就いた。折しもコロナ禍で経営は岐路にあった。ウィズ/アフターコロナの業績目標や取り組み課題をまとめた功績が買われ、今年取締役に昇格した。

経団連は昨年11月にまとめた「。新成長戦略」で30年までに女性役員比率30%という目標を明記した。取締役会の多様性は企業の競争力強化に欠かせないからだ。だが上場企業の女性役員比率は20年7月時点で6.2%にとどまる。個々の企業では社外取締役やヘッドハンティングで確保する手もあるが、全体の底上げには各企業で生え抜き女性役員が育つ環境が不可欠だ。

育成は長期戦 早く手を


 女性を含むダイバーシティ(人材の多様性)が企業成長のエンジンであることは今や世界の常識だ。今年女性取締役が誕生した企業も、さらなる工夫を模索する。あいおいニッセイ同和損保は19年度から、部長クラスの女性社員が役員と会社の経営課題を語り合うメンター制度を始めた。三井住友銀行は30代後半の有望社員を選び、成長につながる業務を意図的に与える。

 ただ「圧倒的に女性人材は少ない。取締役が持続的に誕生する環境ではまだない」(三井住友銀行人事部)のも共通の悩みだ。役員登用は実績が上がるまで時間を要する。女性管理職が誕生する環境を整え、そのうえで役員候補は難易度の高い業務を意図的に与えて鍛える。そんな態勢を早期に実現しないと日本企業は世界にますます取り残される。
(編集委員 石塚由紀夫)

[日本経済新聞朝刊2021年7月19日付]

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