コナカの「ディファレンス」 注文スーツの採寸にAI

ディファレンスでは熟練の従業員が要望を聞きながら採寸する(横浜市内の店舗)
ディファレンスでは熟練の従業員が要望を聞きながら採寸する(横浜市内の店舗)

紳士服のコナカが展開するオーダースーツブランド「ディファレンス」が好調だ。わかりやすい価格設定と丁寧な接客に加えて、アプリを使い購入後も顧客とつながる。新型コロナウイルスの影響で紳士服市場に逆風が吹くなか、高単価で在庫リスクが少ないオーダー事業を収益の柱に据える経営戦略の要となる。




自分だけの1枚を作る楽しみはそのまま

「お待ちしておりました」。5月のある平日、「そごう横浜店」(横浜市)のディファレンス店舗を訪れるとベテランの販売員に声をかけられた。事前に公式アプリで来店予約を取り、着用シーンなどを伝えてあったため、すぐに接客が始まる。販売員に相談しながらボタンや裏地などを決めると採寸に移る。

販売員が慣れた手つきで脚や腕、腹囲など数点を測る一方、客は「肩周りはややゆったり」「袖は時計を見えるようにしたい」などの希望を伝える。接客時間は約30分で、注文から2週間すると商品が届く。

働き方改革で仕事着のカジュアル化が進み、新型コロナの流行前から紳士服市場は縮小していた。そんな中、コナカが2016年に始めたディファレンスは支持を広げていった。21年9月期のディファレンス事業の売上高は、新型コロナの影響がなかった19年9月期と比べ2倍程度になる見通しという。

セットアップ2着で5万2800円からと、中価格帯の既製服と同じ値段に抑えている。「自分だけの1枚を作り上げる楽しみはそのままに、価格を安く、分かりやすくする必要があった」。コナカの中嶋傑執行役員は狙いを語る。

もちろん青山商事やファーストリテイリング傘下の「ユニクロ」など、衣料品各社でオーダースーツを強化する動きはある。ディファレンスの強みは「オーダースーツ専用の工場を抱えている点だ」と中嶋氏は話す。

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