つづらやのタレは塩味の焼き鳥に合うようやや甘め。ニンニクの辛みを和らげてまろやかにするため、作ってから3カ月以上寝かせたうえで使う。鶏にも豚にも合う懐の深い味だ。

「やきとり番長 上田駅ナカ店」では、タレをコップに入れて提供する

上田駅構内の「やきとり番長 上田駅ナカ店」では、たっぷりとタレが入ったコップを客に提供し、串のまま浸して食べる。関西の串カツのように「二度漬けは厳禁」だ。お皿にのせた焼き鳥にタレをかける食べ方も用意しているが、ほとんどの来店客はコップに入ったタレを選ぶ。

タレにはニンニクペーストをたっぷり使い、焼き鳥に絡みやすいようトロッとした粘り気を加えている。「子供にも食べやすいよう、加熱してニンニクの辛みを抑えている」と同店オーナーの小林誠さん。テークアウトでの販売も多く、高校生が買いに来ることもあるという。

「隠れ家えん」では、タレを使った焼きそばも楽しめる

古い町並みが残る柳町に店を構える「隠れ家えん」は、午前中から営業しており観光客も訪れやすい。焼き鳥だけでなく、タレを使って作る焼きそばも人気がある。タマネギやニンジンなどの野菜をしっかり炒めて甘みを出し、パリパリに香ばしく焼いた麺とタレを絡める。

タレは焼きそばにも合うよう「リンゴも入れてフルーティーな甘さを加えている」(店主の斎藤嘉康さん)という。店ごとに原料や味に違いがあるのが「美味だれ」の魅力。上田を訪れたときは、ぜひ色々な店をハシゴしてみたい。

<マメ知識>唐揚げなどに活用の動き
 地元有志でつくる「美味だれで委員会」が進めている普及活動の一つが、タレを焼き鳥以外の料理でも活用する取り組みだ。地元飲食店やコンビニなどと協力してメニューを開発。唐揚げやラーメン、チキンバーガー、クレープなど様々な可能性を広げてきた。
 ボトル詰めしたタレを販売する動きも広がっており、県内の土産物店やスーパーの棚には様々な商品が並ぶ。焼き鳥に使うのはもちろん、揚げ物やサラダ、パスタの味付けなどにも向くという。

(長野支局 畠山周平)

[日本経済新聞夕刊2021年7月8日付]