GAFAの求める学生は アマゾン・グーグル担当者に聞く

アマゾンジャパンは働きやすい環境を整える(東京・目黒のオフィス)
アマゾンジャパンは働きやすい環境を整える(東京・目黒のオフィス)

世界でデジタル化をけん引しているGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)が、国内で新卒採用にも力を入れ始めた。外資系企業は中途採用が多いものの、優秀な学生には新卒時から高い年収を提示して人材を確保しているとみられる。どのような人材を採用しているのか、アマゾンジャパン(東京・目黒)とグーグル日本法人の担当者に聞いた。

アマゾンジャパン、採用数は数百人規模

――新卒は年間何人を採用していますか。

アマゾンジャパン人事部シニアマネージャー 奥田裕子氏

「2021年卒の採用数、22年卒の内定者数はともに数百人規模で、年々増やしている。現在は23年卒の学生に向けて夏の短期インターンシップを約350人募集している。多くの学生に参加してほしい」

「新卒採用は国内で10年以上前から実施している。現在は物流管理を担うオペレーション総合職やソフトウエアエンジニアなど、7つの職種で採用活動を実施している」

――どんなインターンシップを実施していますか。

「職種にもよるが1~5日の短期ワークショップだ。仕事の面白さや意義、アマゾンの仕事に対する考え方を伝えるほか、学生同士のグループディスカッションなどで企業理解を深めてもらう」

「インターンを通じて優秀な学生に接触し、採用側、学生側ともに理解を深めた上で現実的な採用を目指している。ほかの採用ルートも用意しているが、インターンが学生を一番よく知りうる手法だと考えている。アマゾンと学生がフィットしているか確認し、優秀な学生にはインターン後に面接を案内している」

――採用基準で重視している点は何ですか。

「毎日が始まりの日と考えて挑戦を続ける『デイワン』や、社員は会社や自身の仕事のオーナーであるという『オーナーシップ』といったアマゾンの考え方と、学生が合うかどうかを見ている」

「多様性と平等性、インクルージョン(包摂)も欠かせない要素だ。新卒だからといって仕事内容の区別はしていない。新卒と中途、自分の言動に責任を持って活躍してほしい」

――選考はどのように準備したら良いですか。

「面接選考は30分~1時間程度で、『顧客起点を守る』といったアマゾンの企業文化である『リーダーシップ・プリンシプル』を念頭に質問する。学生時代に頑張ったことをもう一歩深掘りし、どのような疑問を持ち、どのような行動をしてきたかを話してほしい」

「仕事内容や学歴、語学レベル、プログラミングスキルなどの基本条件のほか、面接で質問する内容をネットで開示しているので参考にしてほしい。面接ではサイトに書いてあること以上の質問はない」

――入社後のキャリア形成の仕組みは。

「社員一人ひとりの自主性を尊重している。社内公募制があり、ポジションの募集要項をグローバルに公開している。選考に通れば入社時と異なる職種や勤務地に異動できる仕組みだ。もちろん海外にも異動できる」

「社員はキャリアを自分で作る。再採用も歓迎しており、転職を経てアマゾンに戻ってくる人もいる」

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グーグル日本法人、面接官は将来の同僚