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ひらの・ひろふみ 1961年東京都生まれ。83年慶大文卒、旧日興証券入社。03年取締役、07年に辞任。アリックスパートナーズ日本代表を経て、13年から現職

ひらの・ひろふみ 1961年東京都生まれ。83年慶大文卒、旧日興証券入社。03年取締役、07年に辞任。アリックスパートナーズ日本代表を経て、13年から現職

両親の影響で小さいころから本が好きだった。銀行員の父親の転勤で小学時代は米国で4年間暮らした。

「母に薦められた坪田讓治の『風の中の子供』が最初の読書体験です。小学2年で米国に渡り、リンカーンなどの伝記をよく読みました。日本に戻った中学時代は人生で純文学を一番読んだ時期。遠藤周作の『沈黙』や島崎藤村の『破戒』、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』に感銘を受けました」

「大人になって読んだ本ですが、米国で暮らした小学時代の自分が同じようなことを考え、外資系ファンドで働く今も同じことをやっていると感じるのが、新渡戸稲造の『武士道』です。日本人はどういう人間なのか自分の言葉で説明しないと海外では理解してもらえません。日本文化の本質を英語で伝えようとした新渡戸に共感します」

大学時代は金融には興味がなく、就職は出版社を志望していた。

「中学3年の時に『月刊プレイボーイ 日本版』が出て、斬新な編集やデザインに驚きました。好きな作家だった柴田錬三郎や開高健、ノーマン・メイラーらが連載や短編を書いており、出版元の集英社に入りたかった。しかし、面接日が主将だったフェンシング部の早慶戦と重なってしまいます。先輩から『どっちが大事か分かってるな』と脅され、泣く泣く諦めました」

日興証券(現SMBC日興証券)に入り、入社5年目に社費留学で米シカゴ大のビジネススクールに通う。

「濃密な2年間でした。原書で苦労して読んだ『証券分析』は今もよく読み返します。留学時にKKRによるRJRナビスコの巨額買収が起き、内情を描いた『野蛮な来訪者』が発売されました。米国では日本の金融では考えられないことが起きていると感心しましたが、まさか自分がその会社で働くことになるとは思いませんでした」

「日本に戻ると深夜まで仕事に追われる毎日です。損失補填、総会屋問題、山一証券の自主廃業、米シティグループと日興の合弁設立……。バブル崩壊の後処理に忙殺され、1990年代後半までは本をちゃんと読んだ記憶がありません。当時読んで唯一心に残っているのが高杉良の『小説 日本興業銀行』です。産業再編に辣腕を振るう主人公の中山素平に憧れました」

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