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ミサワホーム甲信の横山聖太さん

ミサワホーム甲信の横山聖太さん

新型コロナウイルス下で戸建て住宅への関心が高まっている。大手のミサワホームで2020年度、販売戸数の全国1位に輝いたのがグループ会社ミサワホーム甲信(長野県松本市)長野支社の住宅営業本部の横山聖太さん(36)だ。その営業手法は顧客と長期的な視点で会話を積み重ね、本質的な住まいへのニーズを一緒にとらえていく姿勢が最大の強みになっている。

ミサワホームは国内で注文と分譲合わせ、年間6000戸規模の戸建て住宅を販売している。ミサワホーム甲信は長野県と山梨県を営業エリアに住宅の販売や設計、施工、リフォームを手がける。横山さんは中南信営業部次長と営業一課課長を兼ねる。具体的な販売戸数は社外秘だが、全国首位は初めてではなく、実は16~18年度も獲得したすご腕だ。

ただ、短期的な販売戸数は追わず、顧客が購入する戸建てに心から満足してもらえるかに専念する。「家は人生の約半分の年月をかけてお金を支払うもの。なんとしても失敗するような計画になってほしくないという思いが根底にある」。それは単純なようで、突き詰めると顧客との関係をどこまで深掘りできるかにかかっている。

「どんな家が欲しいですか?」。横山さんの問い掛けは一見シンプルでストレートだ。商談では常にこの点を問い続けるようにしている。

太陽光発電、耐震性、天井の高さ、収納性――。顧客は住宅に関する情報や流行の話を収集するにつれて、様々な点に興味が湧き、商談を進めるうちに当初建てたいと話していた家がどんどん変わっていくケースは珍しくないという。横山さんはあえて単純な質問を会話に織り交ぜ、顧客の「できれば欲しいが、そうでなくてもいい」との言葉を聞き逃さない。

顧客が本当に意図している家はどんなものか、横山さんは丁寧かつ冷静に話し合っていく。顧客が希望することを全てかなえようとすれば、当然建築価格は上がっていく。ただ、性能と価格のバランスは重要だ。予算が厳しくなるなら、何かを諦めるよう導くのも営業の役割だ。

顧客が当初描いていた家の本質的な所を外れず、プランを組み立てていく。そのためなら極論だが、横山さんは「他のハウスメーカーの戸建てになってしまってもいい」と語る。

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