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富国生命保険社長 米山好映氏

富国生命保険社長 米山好映氏

「最後は人なんです」――。1万3千人の職員を抱える富国生命保険の米山好映社長(71)は社長就任以来、職員と直接語り合う「車座ミーティング」を開いている。生命保険業の根幹は営業職員と顧客とのコミュニケーションを通した信頼関係の構築で、人材育成は欠かせない。学識経験者らとの交友や豊富な読書をもとにたどり着いたのが「人づくりは、交流の場づくり」という人材育成術だ。

(上)リーダーはブレない軸を 「バブルに乗らない」が教訓

――富国生命で営業に関わる職員は1万人。彼らを含む社内の人材育成にどう取り組んでいますか。

「社長になってすぐ人材開発本部を発足し、自分で本部長になりました。若手職員から『営業現場は人材を育成するより、人材を酷使してきたんじゃないか』という率直な意見が出てきて、ピンときました。日本企業はバブル崩壊から研修や教育に関する費用をどんどん落としてきましたが、うちは逆にそこに力を入れています」

「人材育成にヒト・モノ・カネの投資は惜しまない。その象徴として、入社6~7年目の若手総合職が座学や保険募集、営業職員の採用などを体験する『経営塾』をつくりました。社員の幸せを会社の目的に掲げる寒天大手の伊那食品工業(長野県伊那市)にも派遣します。年間で約30人を持ち場から離して1年間研修に専念させます。リーダーシップや経営のありようを学ばせるためです」

――営業の最前線に立つ職員の意見も吸い上げる「車座ミーティング」の狙いは何ですか。

「皆が輪になって座る『車座』の形式でミーティングを開きます。1回に5~6人の職員を集め、私が直接語りかけます。職員に本社に来てもらうほか、私も全国各地の拠点に赴きます」

「役員だけが集まる会議で私の考えをいくら話しても、1万人以上いる職員一人ひとりに理解してもらわないと意味がありません。この危機感もあって、車座形式の話し合いの場を設けました」

――どんな話をしていますか。

「最初に私が20分ほどプレゼンし、あとの1時間半は参加者との話し合いです。当社は創業当時からすべての保険契約者が『社員』と位置付けられる『相互会社』。株主で構成する『株式会社』とはおのずと経営方針が異なります」

「まず、職員には『お客さま基点』とは何か、どうやってお客さまの満足度を上げていくかを説明します。その後の話し合いでは何でもいいので、参加者が思っていることや聞きたいことを自由に語りあってもらいます」

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