2050年見据えて店作り 省エネ・人手不足に先手サイゼリヤ 堀埜一成社長

サイゼリヤが2050年を見据えた店舗作りに挑んでいる。コロナ禍で市場環境が激変するなか、よりコンパクトで省エネ性能を高めた新型店の開発に余念がない。目指すのは環境や従業員に配慮した次世代店舗の確立だ。堀埜一成社長は「コロナ禍でバタバタしない。2050年を見据えて着実に手を打つ」と語る。

試験よりも推薦 パートを社員化

――新型コロナの感染拡大から1年以上が経過しました。足元の影響をどう見ていますか。

「昨年5月の時点で、コロナ禍がそう簡単に収束することはないと覚悟しました。月次ベースの既存店売上高は4~5月に前年同月比でプラスに転じましたが、コロナ前の19年実績と比べると依然として6割程度の水準にとどまっています。営業損益の段階ではまだ赤字が続いています。時短協力金などの補助金を得て、収支を確保している状況です」

「営業損益の段階で黒字を確保するには、コロナ前の19年との比較で、既存店売上高が80%程度まで戻らないといけません。もっともコロナ前の損益分岐点売上高は、19年実績の80%台後半でした。原価や工場の設備費など各種経費を削減してきた効果が出ています」

「光熱費を抑えるため省エネにも力を入れています。食器洗浄機や冷蔵庫などで、消費エネルギーを抑えるより効率的な使い方を研究しています。客数が減る中で、空調スペックが過剰になっている店舗もあり、改善策を考えています」

――新型コロナの影響はいつまで続くと見ていますか。

「今後2~3年は続くと見ておくべきでしょう。ただ足元ばかりを見つめていたら転ぶぞ、と話しています。コロナだからとバタバタしてもしょうがありません」

「中長期的な人手不足に対応するため、パートやアルバイトを対象にした社員への新しい登用制度を導入しました。学歴や年齢は一切、問いません。自ら立候補してもらい、5人の推薦状を書いてもらうことが条件です。最後は面接で登用が決まりますが、この4月に約100人が転勤のない『キャプテン社員』に登用されました」

「ポイントは5人の推薦状にあります。色々な方から評価されている方でないと、推薦状を集めることは難しいかもしれません。中には50人に推薦状を書いてもらった方もいましたが。ペーパー試験を完全に廃止することに迷いもありましたが、コロナ下で踏ん切りがつきました。店舗の顔として必要な経験豊富な人材を登用する道筋を整えることができました」

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