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ソニーマーケティングの今井泰徳さん

ソニーマーケティングの今井泰徳さん

ソニーグループは画像・音声技術と人工知能(AI)を組み合わせた法人向けサービスに力を入れている。先端分野だけに営業担当者には顧客の声をくみ取りつつ、AIの役割や開発状況をわかりやすく伝える「翻訳力」が求められる。「技術がわかる営業」としてエンジニアから転身した今井泰徳さん(35、現在はソニーマーケティング所属)にとって、腕の見せどころだ。

「AIは『エンジン』と言われますが、まさに車に例えるとエンジンでしかない。走らせるにはタイヤや車体も必要です」。今井さんが顧客によくする例え話だ。技術に詳しくない人でも、完成まで必要な手順がイメージしやすくなる。

ソニーはカメラの顔認識機能やスマートフォンの音声認識機能など、早くからAIを組み込んだ製品を手掛けてきた。今井さんが所属するソニーマーケティングのB2Bビジネス部は、これらの技術を用いて顧客企業の課題に向き合い、新たな解決策を提供している。

顧客ごとに課題は異なり、AI関連サービスには既製品もない。二人三脚でデザインも性能も全く異なる車を毎回造るような仕事だ。営業チームで開発寄りの今井さんは、システムを顧客の前でつくって見せることもある。

例えば、2020年にTBSテレビに納入した「字幕自動化ソフト」。報道番組など生放送の字幕は、速記の担当者3人ほどが発言内容を逐一、文章にしていた。同社は自動化して手間を減らせないか、とソニーに駆け込んだ。

AIによる音声認識はスマホなどで実用化済みだが、認識間違いによるエラーも多い。放送用には正確性が求められるため、完全な無人化は難しい。そうなると字幕制作の自動化だけでなく、AIの作った字幕を人が素早く修正できる仕組みが必要になる。

今井さんはTBS側のシステムと接続するためのソースコードを作ったほか、漢字変換も人がすぐ修正できるよう、読み仮名をデータとして取り込む仕組みを作るなど開発チームとの間で調整に奔走した。ソフト導入で、字幕担当者は1人に減らせた。

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