福島の猪苗代そば 観光途中に名店めぐりの楽しみも

2021/6/17
いわはし館の「いわはしそば」はのどごしがよく素朴な味わい
いわはし館の「いわはしそば」はのどごしがよく素朴な味わい

福島県猪苗代町は雄大な磐梯山と天鏡湖と呼ばれる猪苗代湖の間に広がる景勝地だ。周囲の山に降った雨水は河川や地下水を通じて町一帯を潤す。そば好きの間で評価の高い猪苗代のそばは、豊かな水と高地特有の寒暖の差が大きい気候のたまものだ。

いわはし館(右)からは磐梯山を一望することができる(福島県猪苗代町)

猪苗代町振興公社が運営する「いわはし館」は町が造ったそばの実の集荷、製粉施設に併設された大型のそば店だ。週末には県外から車で訪れる客でにぎわう。

天盛りなどの定番品のほか大根おろしやみそを添えた「いわはしそば」、婚礼に提供されてきた伝統の「祝言(しゅうげん)そば」など独自のメニューも多い。そばは職人の手打ちで「のどごしや口当たりの良さを大切にしている」(小板橋晴雄主任)。

ラ・ネージュはそば粉十割の手打ちそばの風味を楽しめる

猪苗代町役場の正面にある「ラ・ネージュ」は開店前から行列ができる人気のそば店だ。もとは洋風の軽食が中心だったがメニューのひとつだった手打ちそばに人気が集まった。地元産の食材にこだわり、そばはつなぎを使わない十割そばだ。遠藤孝司代表は「そばの本来のおいしさを楽しんでもらえれば」と話す。

町の中心部には、そばと郷土料理を提供する「芳本茶寮」、幹線道路沿いで気軽に立ち寄れる「おおほり分店」など多くのそば店が集まる。

そばといえば痩せた土地の作物とのイメージもあるが、猪苗代湖畔の会津、猪苗代地方は有名な米どころだ。そんな豊かな土地で、そばは昔から縁起の良い晴れの日の食膳とされてきた歴史がある。